地ブラボ CHIB LABO

2024/01/25 体験プログラム紹介

地域の持続性を担保した新たな取り組み!将来、白浜に若者が帰って来たいと思える場所を目指して。第4回Attractive JAPAN Award サステナブル賞受賞・一般社団法人シラハマコイナ様

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    第4回「Attractive JAPAN Award」(※1)の受賞事業者にお話を伺い、地域での取り組みや事業・サービスにどのような想いを持って活動されていらっしゃるかを紹介するインタビューシリーズ。今回はその第3弾です。

    「サステナブル賞」を受賞した、一般社団法人シラハマコイナの屋良誠一さんと下地周平さんにお話を伺いました。

    シラハマコイナは沖縄県竹富町西表島にある白浜という集落の地域運営組織で、白浜公民館が海人の家という宿泊施設を運営しています。西表島が世界自然遺産に登録されたことを機に、2021年に一般社団法人シラハマコイナが地域の若者の有志で設立され、体験事業を強化するため、沖縄の伝統的な船であるサバニを使ったツアーをメインに活動を開始しました。

    (※1)第4回「Attractive JAPAN Award」についてはこちら

    【プロフィール】一般社団法人シラハマコイナ
    2020年に地元の有志を集めた任意団体「シラハマコイナ」を設立し、2021年に法人化。白浜集落に残る多様な自然・文化・暮らし・人などの魅力を多くの人に知ってもらえる滞在企画を展開し、地域内の経済・文化的発展に貢献する活動をしています。また、地域での雇用創出や自走に向けた取り組みにも積極的に挑戦しています。将来、若者が帰って来たいと思える場所を目指して、持続性が担保できる地域づくりに取り組んでいます。

    ※一般社団法人シラハマコイナの公式サイト

    サバニツアーのスタートと団体設立への挑戦

    (屋良)私は東京でシステムエンジニアとして働いていましたが、8年前に白浜に戻り、以来ずっと公民館の役員を務めています。地域で働く人々が減少していることを感じる一方で、高齢化が進む中、若者たちが戻ってきて働けるような仕事がない状況に、何か行動を起こしたいと思ったのが活動のきっかけです。そんな時、環境省の補助事業を知り、とりあえず挑戦してみようとサバニツアーの開始を決意しました。公民館の有志で取り組むことになったので団体を設立することにしました。株式会社とすると意味合いが変わってしまうため、次世代のために貢献できることに焦点を当てて社団法人として設立し、今に至っています。

    地域の良さを再認識、外からの視点の重要性

    (屋良)複数の補助事業を進める中で、八重山観光フェリーとの合同モニターの話をいただき、それをきっかけに地ブラと出会いました。無理なく取り組みたいという想いが共通にあったこと、また、白浜を心から気に入ってくれているという想いが地ブラスタッフから伝わってきたことから、私たちも「この人たちと一緒にやりたい」という気持ちになり、サポートをお願いしました。コンサルとお客さんという関係性ではなく、仲間としてやっていきたいという想いが一致していることも大きかったです。

    当初、私たちが提供していたサバニツアーは人を集めないと実施できなかったため、負担にならない小さなツアーからつくろうと提案してもらい、4つほどツアーを造成。一番最初につくったのは、旧神社のトレッキングツアーでした。白浜集落ができたと同時に建立された白浜神社は移転を繰り返していたので、旧神社の場所を若者はなんとなくしか知らされていませんでした。旧神社は白浜の伝統行事・海神祭の最初に航海安全を祈る場所であり、白浜の歴史を語る上で重要な場所なので、参加者を案内することで「次世代に繋げる」という想いが叶うツアーになりました。その他には、リュウキュウイノシシの燻製体験やマングローブの散策、大浜農園の見学ツアーをつくりました。大浜農園はメンバーが運営しており、有機栽培に取り組んでいます。自然アクティビティが多いので、悪天候時の代替ツアーとしても提供しています。

    私たちはこの地域に住んでいるため、その良さに気づきにくいことがあります。だからこそ、地域外の方々の視点が非常に重要です。実際に来ていただいて良いと感じてくれると、地元住民としても誇りに思えますし、この気づきは大変重要でした。地域外の方が価値を見出してくれることに、新たな発見があります。そのため、地ブラのサポートは本当にありがたいなと思っています。

    白浜の魅力を若者に伝え、将来帰って来たいと思える場所へ

    (屋良)サステナブル賞の受賞は嬉しかったです。私たちの取り組みが正しい方向にあるという確信を得ることができました。今後も地域の皆さんの協力を得ながら進めていくことが重要だと思いますし、この受賞は私たちにとって大きな後押しとなります。

    団体設立当初から、将来的に若者が帰って来たいと思えるような場所をつくることを目標に活動しています。先日は大学生を受け入れて、サバニツアーや交流会を行いました。他の地域から若者が訪れて体験し、その経験が彼らの地元への帰還のきっかけになったり、白浜を気に入って再訪するきっかけになったりすることが、さらなる繋がりを生むと思っています。若者がいないと地域にとって多くの困難が生じるので、I ターンの可能性も考えています。そのためにも活動量や認知を増やすことが最優先事項です。

    デジタルプロモーションで地域活性化をアプローチ

    (屋良)インスタグラムでは定期的に投稿を行い、YouTubeにもプロモーション動画( https://www.youtube.com/watch?v=Xwu_mGU0TY )を掲載しています。需要が増していることから、これらのプロモーション活動をさらに強化したいと考えています。また、地域間の連携がまだ十分ではないので、これを強化することも目指しています。特に、観光と地域の伝統を結びつける活動を通じて、地域活性化の一環としての連携を深めたいと思います。政府が推進する観光地域の取り組みに参加することができれば、新たな可能性が開けるかもしれません。

    シラハマコイナのこれから

    (屋良)海外からの訪問者に対して通訳の提供方法はまだ確定していませんが、サバニや旧神社などには興味を持ってもらえるのではないかと思っています。また、イノシシ狩りのような体験も珍しいと思うので、魅力的に映るのではないでしょうか。

    私たちの活動は外から高く評価いただいており、地域の宣伝にも繋がっています。始めた当初は「やらなければ」という気持ちでしたが、役場や地ブラをはじめ地域の皆さんの協力のおかげで続けられています。今後も、地域のために楽しんで活動を続けるつもりです。

    (下地)私は屋良さんや大浜さんから話をもらって一緒に立ち上げることになりましたが、今となっては本当にやって良かったと思っています。この受賞がきっかけとなり、雇用の促進や地元である白浜集落の発展が実現し、楽しい集落になるようにこれからも取り組んでいきたいと思っています。

    取材を終えて

    白浜でのサバニツアーの開始と地域活性化に向けた熱心な取り組みについて伺い、地元への深い愛情とコミュニティに対する強い責任感を感じました。システムエンジニアから地域のリーダーに転じた屋良さんの話は、地域の若者や外部の視点を大事にするという重要性を浮き彫りにしました。特に、地元の魅力を再発見し、それを伝えるためのデジタルプロモーションの取り組みは、地域活性化における新しいアプローチを示しています。

    サステナブルな地域振興という観点から、若者の帰郷を促す取り組みや地域文化の再評価は、白浜だけでなく日本全体に波及する可能性を秘めています。シラハマコイナの情熱と実行力が、白浜の今後の発展に繋がることに期待が高まりました。

    今回のインタビューで紹介した「西表を知り尽くす地元ガイドと行く仲良川サバニツアー」はこちら

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