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2023/12/22 体験プログラム紹介

海の体験×温泉エリアの「宮浜らしさ」で大賞を受賞!第4回Attractive JAPAN Award アトラクティブジャパン大賞受賞・宮浜アドベンチャーズ様

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    第4回「Attractive JAPAN Award」(※1)の受賞事業者にお話を伺い、地域での取り組みや事業・サービスにどのような想いを持って活動されているかを紹介するインタビューシリーズ。今回はその第1弾です。

    「アトラクティブジャパン大賞」を受賞した、宮浜アドベンチャーズの檜谷さん(宮浜グランドホテル 代表取締役社長)にお話を伺いました。

    2019年より周辺の事業者と協力して地域活性化に取り組んでおり、コロナ禍を経て補助金を活用し本格始動。アドベンチャーツーリズムや滞在型観光の推進と地域の魅力を再発見するマイクロツーリズムに注力し、これまでとは一味違った新しいアプローチが期待されています。

    (※1)第4回「Attractive JAPAN Award」についてはこちら

    【プロフィール】 宮浜アドベンチャーズ
    広島県廿日市市の宮浜温泉を起点とし、自然・食・文化の体験プランを提供しています。地域活性化と滞在リゾート化を目指し、地域固有のアクティビティや温泉の魅力を組み合わせたイベント企画、旅行商品の開発、情報発信に力を入れています。カヤックやセーリング、クルーズなどの季節限定プログラムでは、地域の新しい魅力として注目を集めています。まだ多くの人に知られていない宮島の魅力を体験する拠点としての受け入れ態勢を整え、国内外への情報発信を通じて、多くの観光客を迎え入れることを目指しています。(※宮浜アドベンチャーズの公式サイト

    傷んだ桟橋の修繕からの出発
    団体の名称は地ブラスタッフがネーミング

    元々2019年に、桟橋の所有者から「宮浜の活性化のために、この桟橋を利用してはどうか」というお話をいただきました。その時には桟橋が傷んでいたので、防腐剤を塗ったり、板を張り替えたりという修繕をしていました。当時は、ある海の業者さんと組んで、江田島と一緒に盛り上げようという計画がありましたが、コロナが発生して業者さんが続けられなくなり、一度活動がストップ。

    それからしばらくして、2021年に地ブラから声をかけていただき、補助金を活用して活動を再開することになりました。この時点ではまだ正式な団体ではありませんでしたが、宮浜温泉組合が中心となり、組合員全員で橋の塗装などを行いました。筏型船舶でのクルーズを提供しているHANAIKADAさんや、カヌーやカヤックの体験を提供しているパドルパークさんとは10年程前から一緒に活動していて、その後、さまざまな事業者さんが賛同し、地ブラのプロジェクトに集約する流れができたのです。

    セーリング体験を提供するオリハルコンの山下さんは以前から知っていましたし、ヨットに乗せてもらったこともあります。点と点が結ばれて事業が立ち上がった感じですね。事業者さん同士は既に顔見知りではありましたが、あまり話をする機会はなかったので、この取り組みを通してつながりができたのは嬉しかったです。

    2021年から2022年にかけての初期は、モニターツアーを主な活動としていました。お客様の反応から、提供するコンテンツの受け入れ方や満足度、進むべき方向性が見えてきました。しかし、まだまだ組合員の間で熱意の差があり、これをどう「自分ごと」として捉え、共有していくかが課題でした。今後もこの機運をさらに高めていくことが重要だと考えています。

    「宮浜アドベンチャーズ」の名称は、実は地ブラのスタッフが付けてくれました。ロゴは、子供向けの本の制作も手がけている地元のデザイナーさんにワクワクするようなデザインでつくっていただきました。私たちの活動はアドベンチャーツーリズムの体験を提供するだけでなく、総じて「宮浜の活性化ゴト」の活動であると再定義しようと思っています。

    ニーズのあるターゲット層を分析し、宮浜温泉での滞在時間延長へ

    滞在時間を延長することは当初からの目標でした。宮浜の海を活用する案は40~50年前からありましたが、きっかけがなく実行に移せていなかったので、今回形にできたことはよかったです。特に温泉を利用して再訪を促すきっかけづくりに貢献できたことは喜ばしいことで、参加者からも「体験後、温泉に入れるのは嬉しい!」との声を多くいただきました。

    しかし、滞在時間の延長という目標は、まだ達成されていません。宮浜温泉を訪れる多くの人は、観光で宮島に訪れています。大鳥居や神社を目指して初めて宮島を訪れた人には、西海岸に残る太古の自然や無人島に上陸するクルーズなど、宮島の新しい魅力は視野に入りにくい現実があります。そのため、再訪で宮島の新しい見方や訪れ方に興味を持つ人や、近隣に住む人に対する提案やアプローチに力を入れていきたいと考えています。

    「御島巡り(七浦巡り)」をはじめとする
    宮浜温泉ならではの体験をシーズンごとに提供

    受賞した代表プランでは、渡し船に乗って宮島を一周しながら、厳島神社と7つの神社を参拝する「御島巡り(七浦巡り)」にご案内します。主に長期滞在者や再訪者をターゲットとしており、コロナ禍ではマイクロツーリズムの受け入れが多かったのですが、インバウンドの受け入れを見据えて外国人旅行者をご案内したところ、ストーリーの構成やクルーズの長さなど様々な場面で課題を見つけることができました。お客様のニーズに合った体験の提供が重要だと改めて実感したので、1つずつ課題に対応していこうと思っています。

    その他にオススメとしては、ハーフトレッキングのプランです。温泉組合が主催しており、経小屋山の中間地点までトレッキングをして、宮島を見下ろしながら焼き牡蠣や牡蠣飯など地元の食事を愉しめる体験となっています。宮浜温泉ができた経緯や裏話の紹介、また、庭園の宿・石亭の庭園訪問も組み込まれていて、トレッキング以外にも様々な時間の過ごし方ができます。私も地元のガイドとして活動しており、他にもペンションあんばらんすの藤崎さんやカフェマカバの野津さんなど、地元の施設を運営しているメンバーがガイドを務めています。

    宮浜アドベンチャーズでは季節ごとに様々な体験を提供しており、広島の魅力をじっくりと堪能できるような提案をしています。トレッキングは牡蠣の旬でもある秋から春にかけて、ヨットやクルーズなど穏やかな瀬戸内海を愉しめる体験はGW明けから秋にかけてがベストシーズンでオススメです。また、宮浜温泉には日帰りの温泉施設が3軒あり、宿泊施設もペンションから高級旅館まで多様にあります。アクティブな体験の後は温泉でリラックスして、牡蠣や穴子、大野あさりなど、地元の特産品を使ったお食事もぜひ味わってください。

    地ブラのサポートが活動の後押しに

    2021年は通常業務が落ち着いていたので、活動に集中できました。コロナ前に、海を観光の玄関口にしようという話はありましたが、宮浜温泉組合には専門の事務員がいないため、実際に始めてみると、事業者同士の調整が自分たちだけではうまくいきませんでした。そのため、地ブラが間に入って事業者の調整をしてくれてとても助かりました。また、活動自体は地域として認めてもらえているのですが、それぞれが「自分ごと」として考えることは難しく、ようやく1人、2人と活動メンバーが増えている状況です。そう思うと、宮浜アドベンチャーズの立ち上げ当初は特に大変だったと思いますが、うまく形にしてくれたことに感謝しています。

    宮浜アドベンチャーズのこれから

    大賞受賞に際して、専門家である第三者の方々から取り組みの評価を得られたことはとても嬉しく思っており、地元の皆さんからも喜びの反響をもらいました。しかし、宮浜アドベンチャーズとしてはまだまだこれから実績を積んでいく段階なので、今回の受賞を機に改めて前向きに取り組んでいきたいなと思っています。

    国内向けにも宮島のリピーターや地元の方々に向けた活動をしており、毎年夏に開催される宮浜温泉祭りの時に西海岸クルーズを開催したところ、参加者のほとんどが地元の方で高い満足度をいただきました。地元の方にとって海は生活の一部になっていて、普段わざわざ訪れることはないので、地域の魅力を再発見するということにも可能性を感じています。

    今後は、宮浜アドベンチャーズとしての実績を増やすべく取り組んでいくとともに、インバウンドにも対応できるように力を入れていきたいと考えています。今年は対岸にある御床神社にフィーチャーした動画やポスターを制作したので、これらも活用しながらより効果的な発信方法を模索していきます。

    取材を終えて

    アトラクティブジャパン大賞を受賞した宮浜アドベンチャーズ様の活動が始まった背景や、ターゲット層のニーズと地域の「らしさ」を掛け合わせたこだわりある滞在商品の展開について理解を深めることができました。アドベンチャーツーリズムを主軸として地域にある自然の魅力を最大限に活かし、地元の方々だけでなく宮島に再訪する方々に対して新たな切り口で編集した宮島のストーリーと、宮浜温泉だからこそ提供できる「癒し」という強みを合わせている点が非常に印象的でした。

    今後は、より地域を巻き込みながらマイクロツーリズムだけでなく、インバウンドに対応した滞在商品の展開にも取り組んでいくとのことで、宮浜アドベンチャーズ様のさらなる活躍に期待が高まりました。

    今回のインタビューで紹介をした「海上参拝「七浦巡り」をコンプリート!神の島・宮島を一周する3時間の海の旅へ♪(宮浜温泉発着・お弁当付き)」はこちら

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