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剣豪・宮本武蔵の己を磨き続ける精神 唯一無二の魅力を次世代につないでいく

豊かな歴史と侍の精神を伝えていくために

戦国時代の武将・加藤清正が築いた熊本城。城の東部に隣接する千葉城の屋敷では、宮本武蔵が晩年を過ごしたとされている。城下町である「新町・古町」は、当時の面影を色濃く残した建物が立ち並ぶ、深い歴史を持つエリアだ。そんな熊本で、文化の伝承とまちづくりのために活動しているのが、熊本武士道ツーリズム協議会の松永哲典さんだ。松永さんは宮本武蔵の剣術「二天一流」を継承する宗家の18代目。約380年間受け継がれてきた剣術や、その精神性を学べる体験コンテンツなどを提供している。宮本武蔵の名は広く知られているものの、彼の遺した剣術がただ“斬る”ためのものではなく、“自己を鍛錬する”ためのものであることは意外にも知られていない。「宮本武蔵の真の魅力は、己を磨き続けるストイックな精神性にあります。もっとたくさんの方に深く知っていただくことでエリアのファンを増やし、文化を次世代につなぎたい。そう考えていたものの、以前の私達には情報発信や、観光コンテンツに落としこんで集客するノウハウがありませんでした」。

唯一無二のポテンシャルを活かしたコンテンツをつくる

地ブラも、松永さんと同じくエリアに可能性を感じていた。「宮本武蔵が過ごした場所での体験は、国内外の観光客に需要が見込まれる、唯一無二のコンテンツにできると思った」と、担当者の山口は話す。地ブラでは、コロナ禍以前からサポートに入り、他エリアの事例を伝えながら、時には行政も巻き込んでコンテンツ形成に伴走した。宮本武蔵が記した兵法書『五輪の書』の「地・水・火・風・空」になぞらえて各地をめぐり、居合道体験や、宮本武蔵が『五輪の書』をしたためた金峰山麓にある霊巌洞で坐禅体験などを通じて、その精神性に触れられるツアーや、宮本武蔵に縁がある山鹿と八代、熊本の3つの市を訪れ、その足跡や記憶を辿る一週間の宿泊ツアーをかたちに。どこにでもある居合道体験ではなく、宮本武蔵が何に触れ、何を考えていたのか、この地だからこそ伝えられるコンテンツへと磨き上げた。その他にも国内外からのモニター誘致や、各種補助金の申請に関するフォローなどさまざまな面でサポート。「エリアの一員のような温かさで寄り添ってくれて嬉しかった」という松永さんの言葉から、地ブラへ寄せられた厚い信頼がうかがえる。

伝承と集客のバランスをとりながら伴走し続ける

熊本市は、2016年の熊本地震で大きな被害にあった。災害やコロナ禍を乗り越え、今もこのエリアには熊本を愛するたくさんの人々が、文化を大切にしながら暮らしている。「地ブラにサポートしてもらう以前はとにかく、文化の伝承に注力していました。しかし、伝承するには、正しく関心を集め、多くの人に触れてもらうことも大切だと分かった。地ブラは私達の想いを理解した上で、伝承と集客のバランスをとりながら具体的なサポートをしてくれます」と、松永さんは語る。山口は単に集客できるコンテンツではなく、このエリアで松永さんや地元の事業者が形にする意義のあるものを提案してきた。「地ブラには感謝してもしきれません。これからは学んだノウハウを活かして、私達でも自走する力をつけていきたい。そして、より深くエリアの魅力を伝え続けていきます」。松永さんの想いを胸に、地ブラはこれからも伴走し続ける。

地域の想いを第一に 魅力を国内外に届けていく

  • ・コロナ禍以前からの長期的な関係構築
  • ・他地域事例とノウハウの共有と伴走
  • ・補助金事業などあらゆる面から支援
  • ・行政と連携しながら観光商品造成

松永 哲典さん

熊本市出身。高校卒業後イタリアのレストランで4年間働き帰国。家業のテナントビル経営に携わる傍ら、宮本武蔵の剣術「二天一流」を継承する宗家18代目として居合道を教えている。また、一般社団法人「マチノミライ」の代表理事として、地域の活性化にも取り組む。