江戸情緒と伝統がいきづくまち
情緒溢れる老舗や職人のお店が残る森下。今回はそんな森下の老舗の味や職人さんの思い、そして新たに吹き込む風について取り上げました。老舗としては、桜なべで有名な明治30年創業の「みの家」や、深川めしが味わえる大正13年創業の「みや吉」などを。職人さんとしては、大正8年創業の氷の店「岸氷室」、明治39年創業のすだれ専門店「豊田スダレ店」などを紹介しています。新たに吹き込む風はコーヒーの香りとともに。サードウェーブコーヒーの代名詞的カフェ「BLUE BOTTLE COFFEE」や世界中から愛される「ARiSE COFFEE ENTANGLE」などに取材しました。
森下で老舗の味をじっくり堪能
深川めしや江戸前寿司など、昔ながらの味を守り続ける老舗が揃う森下。まちの歴史を再発見できる、雰囲気のあるお店と料理に溢れています。明治30年創業の「みの家」は、近くにあった木場の職人たちのスタミナ食であった馬肉を使った桜なべが名物。森下で愛されて90余年の居酒屋「山利喜本館」は自然派ワイン売り出しの走りだそうです。180年以上変わらず続く打ち方、太さ、ダシのとり方を貫く蕎麦屋「京金」のオススメは山椒をかけて食べる鴨南ばん。「やよい鮨」の、江戸の寿司を再現した天然塩、赤酢を使った寿司には、知恵が詰まっています。下町の天ぷら屋さん「満る善」は昭和の雰囲気が心地よく、店主との会話も弾みます。
江戸情緒とともに森下に残る職人の思い
今も江戸文化の粋が色濃く受け継がれる森下。伝統を受け継ぐ職人さんの技術も残ります。大正8年創業の氷屋「岸氷室」では角氷やダイヤアイスなど、おいしくて使いやすい純氷を扱っています。毎年5~9月限定のかき氷は1個100円。シロップは17種類から2種類を選べます。明治39年創業の「豊田スダレ店」は、東京・京都・大阪・名古屋・博多の歌舞伎座の舞台で使われるスダレを作っています。伝統の江戸すだれは、10年は使えるとのこと。平成元年創業のアンティーク時計専門店「CARESE」では、全国から寄せられる時計を職人がひとつひとつ丁寧にケアして修理。1階の店舗ではアンティーク時計の販売も行っています。
森下に吹き込む新たな香り
世界的に有名な「BLUE BOTTLE COFFEE」の日本初出店で、コーヒーの街として注目を集めた深川エリア。改めて多様な店に光が当たりました。「ARiSE COFFEE ROASTERS」「ARiSE COFFEE ENTANGLE」は世代や国境を越えてファンがいるコーヒー店。一人ひとりの味の好みに併せて豆を選びハンドドリップで淹れてくれます。下町にたたずむイタリアン「Italian bar Riso」のピザはリーズナブルで美味しいと評判。ピザの粉は本場イタリアでシェアNO.1の粉を取り寄せています。昔ながらの本物の洋菓子を提供する「L’Oiseau Bleu」のオススメはババロア「天使のほっぺ」。ほっぺがとろける美味しさです。伝統を残し変化し続ける森下をコーヒー片手に歩いてみませんか。