【日本高すぎ!】訪日台湾人・韓国人に交通手段と課題を聞いてみた。
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訪日外国人は交通手段情報を欲している。
訪日外国人消費動向調査によると、日本滞在中にあると便利な情報として無料Wifiに次いで多いのが交通手段。
(出典:訪日外国人消費動向調査2016 p24のグラフを一部加工)
海外旅行経験のある方なら、上記感覚についてよく分かるかと思います。
では実際に日本を訪れた訪日外国人の方はどのような交通手段を使っているのでしょうか?弊社スタッフの呉さん(台湾人)・パクさん(韓国人)に自国の交通事情と合わせて聞いてみました。
台湾の交通事情
台湾は、世界一の○○○天国です。
バイク天国の台湾
台湾では一番使われている交通手段は圧倒的にバイクです。国民人口約2,400万人に対し、2012年のデータによると1,514万台ものバイクが台湾に存在します。割合にして国民の6割強がバイクを所持しているのです。
なので通勤ラッシュ時は滝のような量のバイクが台北市内を流れていきます。空気は悪いです。
また、台湾の市街地は広くなく、駐車スペースも限られているため機動的なバイクが好まれているのです。
車
自動車の運転免許証は、台湾では簡単に取得できます。通いで1ヶ月程度。健康診断はありますが、高速道路の教習はありません。けっこうユルユルです。
ちなみに左ハンドルです。
都市交通(MRT)
台北、高雄といった都市部に限っては都市交通MRTが走っています。3-5分感覚で電車が来るので、利用頻度は高いです。
鉄道
大都市間はHSR(High Speed Rail)と呼ばれる高速鉄道が走っています。日本の700形新幹線がベースとなっており、総走行距離約350kmを約90分で走行します。
また、隣接市や県に行く際は在来線もよく利用されています。
ダイヤ運行が不安定なバス
都市部にはバスが走っていますが、きちんとダイヤルを守って運行しているのは台北のバスだけです・・・。
電子マネーで借りれるレンタルサイクル
台北と高尾にはUバイクというレンタルサイクルがあります。Suicaのような電子マネーを使って借りられるのですが、どの駅で乗り捨てても大丈夫です。
移動時間に関する感覚
台湾人の距離感覚は下記の通りです。
- 5分〜15分→近い
- 15分〜25分→ちょっと時間かかる
- 30分以上→遠い
- 徒歩10分以上だと必ず何かしらの交通手段を使う
バイクでさっさと行ってさっさと帰れるスタイルが定着しているので、待つことには慣れていません。
韓国の交通事情
韓国と日本の交通事情は似ていますが、鉄道料金で大きな差があります。
バイク・車に関しては日本と同じ
韓国では台湾ほどバイクは台頭していません。日本と似た道路事情ですが、軽自動車は少ないです。また、左ハンドルです。
鉄道
都市間はKTXと呼ばれる高速鉄道が走っており、フランスTGVの技術が導入されています。5つの区間で運行されており、最大区間であるソウル-釜山間約400kmを3時間弱で走行。料金は約60,000ウォン(日本円で6,000円)と日本の新幹線により安いです。
(出典:Wikipedia)
乗り換え料金が発生しない地下鉄・バス
韓国の首都圏交通は非常に安価です。かなり長距離区間になっても料金はほとんど変わりません。
- 10km以内の基本運賃:1,250ウォン(約125円)
- 10㎞~50㎞区間: 5㎞毎に100ウォン追加(約10円)
- 50㎞以上: 8㎞毎に100ウォン追加(約10円)
また、他社の地下鉄やバスに乗り換える場合でも乗り換え料金が発生しません。
- 市営バス乗換の場合:10㎞以内 無料 / 5㎞毎に100ウォン追加(約10円)
台湾人韓国人の日本移動事情
それぞれのお国事情が分かったところで、訪日時の交通手段について聞いてみました。
日本の電車高すぎ
日本の交通費は台湾人にとって負担が大きいです。台湾なら電車に15分程度乗っても60円位。日本だとJRと地下鉄乗り換えたらすぐに300-500円いってしまいます。高すぎ!
韓国人から見ても日本の交通費は高いですね。韓国では長時間電車に乗っても運賃は大きく変わりませんが、日本だと余裕で1,000円越えてきます。乗り換えが入るとさらに負担が大きくなるので行くのに躊躇します。韓国は鉄道会社をまたいで乗り換える場合も加算料金はありません。バスであってもです。
なので、交通費を節約するため、外国人限定のチケット、一日乗車券などお得なチケットを利用します。スケジュールも行くスポットもそのチケットで行けるところを中心に組んでしまいます。
お得な切符って探すと結構あるんですよね。ただ、全てが外国語対応しているわけではないので、存在に気づかないケースもあります。 ちなみに韓国人に人気の大阪では、大阪周遊パスを愛用する人が多いです。
▲東武浅草駅にて。日本人でも知らないお得な切符が多数ありました。
日本の電車乗り換え多すぎ
台湾人から見て日本の電車は複雑で乗り換えがすごく分かりづらいです。地下鉄同士の乗り換えでも苦労します。
また、同じ駅名なのに鉄道会社によって場所が全然違うことにも戸惑います。
例えば浅草駅は、東京メトロ・東武・都営地下鉄・つくばエクスプレスそれぞれ4つ存在しますがみな分散しています。なんでこんなに離れているのか意味がわかりません。
韓国人の平均通勤時間は30分~1時間ですので、乗り換え自体には抵抗ありません。が、前述したように鉄道会社をまたいで乗り換えると運賃が飛躍的に上昇するのに抵抗があります。
最近は中国語版の乗り換えアプリが出てきましたが、使う人や使える人はまだ多くなさそう。昔はアプリすらなかったので結構大変でした。
▲日本人である私も上京時、東京の複雑な交通網に戸惑いました
飛行機・LCC
韓国から日本へのLCC路線が増えています。東京・大阪・福岡といった主要都市や札幌・那覇といった有名観光地はもちろん、名古屋・静岡・富山・米子・山口・広島・高松・長崎といった地方都市にも直行便が出ています。
台湾もLCC路線が増えており、佐賀や岡山などへ直行便は出ていますが、韓国と比較するとまだ少ないです。なので地方に行く際は、どこか主要拠点を確保し、そこから新幹線などを駆使して現地に行きます。 例えば3日は東京で遊び、新幹線に乗って日帰りで金沢に行くみたいな感覚です。
韓国の場合は新幹線は使わないですね。LCCの直行便を利用したほうが安いですから。また、2泊3日で旅行することが多いこともあり、着陸地から遠出することはほとんどありません。 例えば目的地を佐賀にした場合、佐賀から出ることなく、佐賀を集中して楽しみます。
訪日外国人消費動向調査をデータを見ると、韓国の方は日本国内ではほとんど移動していないことが明確に分かります。
(出典:訪日外国人消費動向調査 プレスリリース版数値より作成)
車・レンタカー
台湾の免許証を取得している場合、JAFが作成している日本語翻訳文を携行することで日本の車を運転することが出来ます。が、日本と違い台湾は左ハンドルであることに加え、日本独特の運転マナーやルール・ガソリン満タンで返すことにハードルを感じてしまいます。 沖縄観光する場合はみんな使いますね。
韓国も台湾同様左ハンドル文化です。自国で国際免許証を取得すれば日本でも運転することが出来ます。福岡・沖縄をはじめとした九州観光時に積極的にレンタカーを使います。
JNTOが作成した北海道・沖縄における訪日外国人のレンタカー利用状況を見ると、韓国・台湾の比率が他国に比べて多いことが分かります。
(出典:JNTO 訪日ドライブ旅行の現状と課題)
バス
バスはほとんど使わないですね。路線も複雑ですし、同じバス停でも行き先がバラバラだったりするので分かりにくいですね。
どこに連れて行かれるのか分からないので不安になります。目的地に行くのにこのバスを使わないといけないと明確に決まっているなら別ですが、それ以外は積極的に使おうとは思いません。また地方の場合、バスが来る頻度が1時間~2時間に1本のケースもあるのでハードルはさらに高くなります。
日本人であっても通勤で毎日使っている場合を除くとバスを使うことは少ないのではないでしょうか?
▲バスは鉄道に比べて多言語対応が少し遅れている気がします。
まとめ
台湾人・韓国人目線で日本の交通手段を考えてみましたが、まとめると下記の通り。
- 日本の交通費は高い
- 乗り換えに抵抗感がある(複雑さ・価格面)
- 台湾は拠点移動型
- 韓国は直行直帰型
- お得なきっぷ情報は喜ばれる
私達にとって電車賃は当たり前の感覚で支払っていますが、台湾人・韓国人にとっては非常に高価に映るようです。
台湾人・韓国人の集客を考えられている方は、
- 自施設に来るのに交通費がいくら必要なのか?
- 乗り換えが難しくないか?
把握した上でプロモーションを打つのが良いでしょう。
今日の一句
”よく見ると バカにできない 交通費”