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2017/08/27 国別対策

【食文化の違い】台湾人・韓国人が日本食で食べられないもの・気をつけるべきこと

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    日本食は訪日観光目的第1位

    続々と増加する訪日外国人ですが、その目的として第一に上がるのが日本食。訪日外国人消費動向調査「訪日前に期待していたこと」の回答率でも他を圧倒しています。

    (出典:観光庁訪日外国人消費動向調査 H29年度4月~6月を一部加工)

    日本食であれば何でもOKではない

    強力な観光コンテンツとなっている日本食ですが、国によっては食べられないものもあります。また食べ方やマナーについても違いがあります。

    訪日外国人を地域におもてなしする上で、この違いをあらかじめ認識しておくと、不用なトラブルを防げる上に満足度を高めることができるでしょう。

    今回は弊社外国人スタッフである呉さん(台湾人)とパクさん(韓国人)に具体的に聞いてみました。

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    苦手な人が多いものもの

    台湾の場合

    「茗荷・酒盗・納豆・塩辛・刺身・馬刺・レバ刺・泡盛」

    台湾人は生モノを食べる習慣が多くありません。火が通っているものを好みます。納豆に関しては日本食の輸入が進んだことによって好きな人も増えてきました。

    台湾人呉さんのご実家の食卓風景

    韓国の場合

    日本料理で苦手なものは特にありません。
    生モノが苦手で刺身や寿司が食べられない人は一定数はいますが、好きな人は必ず日本で寿司を食べます。

    宗教上・アレルギーなどの関係で食べてはいけないもの

    台湾の場合

    台湾はベジタリアンが多いです。比率にして国民人口の約10%を占めており、インドに次いでアジアでは2番目に多い水準です。
    ベジタリアンといってもひと纏めにすることはできません。程度によって細かく分類されます。
    また西洋のベジタリアンと異なり一部の野菜についても食べることを禁じている人もいます。具体的には下記のとおりです。

    簡易的なベジタリアン分類表(Aほど強い)

    • Dのベジタリアンは野菜中心という意味です。
    • 台湾では一般的に認識されている仏教基準に基づいた分類です。
    ベジタリアン
    分類
    魚介類バターゼラチン魚介系ダシ昆布系ダシニンニク
    玉ねぎ・ネギ
    A×××××××
    B××××××
    C×
    D

    ニンニク・玉ネギ・ネギが禁止されている理由は、仏教の精進料理の概念で刺激が強いものは食してはならないという教えから来ています。
    またアレルギーについては空豆・魚介類の人が多いです。

    韓国の場合

    韓国は肉料理が多いこともあってベジタリアンは少数派です。
    食べることが禁じられているものはほとんどありません!

    食事マナーに関する違い

    台湾の場合

    スープを飲むときに音を立ててはいけません。
    ですが私の友人は日本のラーメン屋に行くとまわりに合わせて、一生懸命麺をすする音を出しながら食べています(笑)音を出すのは慣れていないと難しく、首が疲れます。
    一方ゲップをするのは一般的です。

    韓国の場合

    台湾同様スープを飲むときに音を出すことはダメです。
    食器を手にもって食べてはいけません。日本で食べるときも日頃の習慣で器は置いたまま、食べ物を箸で口元に持ってきます。
    儒教文化が強いため、目上の人が食べてから自分の食事に手をつけます。
    お酒の継ぎ足しはNGです。飲み切ってから注ぎます。

    日本の食習慣で戸惑ったこと

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    台湾の場合

    台湾は持ち帰りが当たり前なので、店によって出来ないことは驚きました。
    自分が頼んだ覚えがないのに勝手に料理が運ばれてきてお金を取られる居酒屋のお通しには戸惑います。事前に知らせてくれたり品が選べれば大歓迎です。たまに食べられないものがお通しできちゃうとガッカリするので・・・。
    白湯(ぬるい水)を飲むのが習慣なのですが、日本ではすべて冷水。
    子連れ禁止のお店があるということ。台湾では子連れOKです。
    喫煙可能な飲食店があるところ。台湾の飲食店はすべて禁煙です。

    韓国の場合

    韓国もお通しの文化がありません。知らないとびっくりします。お店側で必須の場合はあらかじめ事前にお知らせして頂けると良いと思います。
    台湾同様飲食店では喫煙NGです。もし喫煙可能の飲食店だとしたら選択肢から外れます。
    おかずを追加する際に追加料金がかかること。韓国では「おかずはお米の飯を食すための補助」という位置づけなので、ほとんど無料です。
    韓国では店に入ると空いてる席があれば店員さんの案内を待たずに勝手に座っていきます。以前お店から待つように言われたことがありますので、私たちの行動が困るようであれば事前に案内で明記したほうが良いかもしれません。

    おまけ

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    韓国は国土が狭いため電車の中でお弁当を食べる習慣がありません。電車の中で食べるなら、旅先の飲食店で食べようという発想になります。
    ですので日本の駅弁文化は非常に面白く感じます。

    台湾にも日本の在来線のように地域を走る鉄道はありますが、個性豊かな駅弁はありません。どの地域でも似たような弁当です。

    まとめ

    今回は台湾人・韓国人ご本人に直接食文化の違いを聞いてみました。

    特に台湾人・韓国人観光客を集客したい飲食店は

    • お通しは選択制か事前説明する
    • 全席禁煙にする

    上記2点は押さえておいた方が良いでしょう。

    また台湾はアジアで2番目にベジタリアン比率が高い国。もしお店で出している料理でベジタリアン基準に合致するものがあれば、きちんと対外的にPRすることで集客面で有利になります。宗教や信条で食べられるものに制限がある方は、訪日前に念入りに下調べをするからです。

    一方集客ターゲット国の食文化に過度に合わせてすぎると日本らしさが失われてしまいます。(例:おかずのおかわりは完全無料にするなど)

    文化の違いを認識しつつお店の個性が出すことが重要です。

    ご自身のお店が訪日外国人目線でどのように見えるのかチェックしてみたい方は、ぜひ弊社地域ブランディング研究所にご相談下さい。呉さん・パクさんをはじめとした外国人スタッフからフィードバック+集客サポートするサービスをご提案差し上げます。

    今日の一句

    ”地理的に 近いが違う 食文化”

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