回復傾向にあるインバウンド市場!コロナ禍前との比較でみえてきた訪日外国人旅行客の傾向を徹底分析
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はじめに
再び多くの観光客が海外から日本を訪れています。新型コロナウイルスの流行により来日することができなかった訪日外国人の受け入れは、2022年10月11日に個人の外国人旅行客の入国も解禁されるなど、水際対策が大幅に緩和されたことにより急速に回復してきています。日本全国で活動をする弊社の実感値と共に、現在のインバウンド市場の様子を数字から見てみましょう。
海外から日本を訪れる外国人数は、2019年比68.5%まで回復
2023年1月から5月の訪日外客数の合計は、2019年の同じ時期に比べ62.8%の863万8500人となっています。
2023年5月の一カ月間の訪日外国人数は、新型コロナウイルス感染症の影響がでる前の2019年同月比の68.5%の189万8900人にまで回復しています。
弊社が運営する訪日外国人旅行者向けに、プレミアムな体験の提供予約を実施しているAttractive Japanの予約も続々と増えており、コロナ前の2倍程の勢いがあります。
■グラフ1:訪日外客数(対2019年比)
中国政府の海外旅行制限措置の影響で、中国からはマイナス82.2%
2023年5月に日本を訪れた外客数を国別にみてみると、1位は韓国の51万5700人、2位台湾30万3300人、3位アメリカ18万3400人、4位香港15万4400人、5位中国13万4400人の順となっています。
この5位までの顔ぶれは2019年5月と同じですが、当時1位だった中国からの訪日旅行は、中国政府が海外旅行に対する制限の措置を継続しているため、2023年5月累計の訪日中国人客数は2019年に同月に比べ82.2%の減少となっています。
■国・地域別 2023年5月の訪日外国人数(対2019年)
欧米や東南アジアからは、すでにコロナ前よりも増加している国も
一方で、コロナ禍前の2019年同月と比べても、すでにプラスになっている国があります。メキシコ55.1%増、中東地域から53.2%増、シンガポール32%増、カナダ19.7%増、アメリカ16.8%増、ベトナム14.8%増、ドイツ7.2%増、インドネシア3.3%増となっています。
メキシコや中東は元が多くはありませんでしたので伸び率も高くなっていますが、アメリカやカナダ、ドイツなどの欧米や東南アジアから以前にも増して多くの人が訪れています。また弊社サイトからの分析によると、欧米豪からの訪日客は文化系コンテンツの体験に関心が高いというのも特徴としてあります。
4月の外国人延べ宿泊者人数、もっとも多かったのは米国
観光庁発表の4月の宿泊統計(第2次速報)によると、外国人延べ宿泊者数は952万人で、2019年同月比で85%まで回復しました。3月、4月の桜シーズンの後で、これまでなら訪日客が減少する5月も、第1次速報の外国人延べ宿泊者数は897万人で、2019年の同月比の92%までに回復をみせています。
4月の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数1位は米国でした。訪日客数では3位だった米国が、延べ宿泊者人数では1位となった背景には、アジアからの訪日客に比べて滞在日数が長いことがあります。2位台湾、3位韓国、4位香港、5位中国とつづいています。
まとめ
日本のインバウンドは順調な回復をみせています。コロナ以前の2019年には、国別総数で圧倒的1位だった中国からの戻りは遅れていますが、それでも一カ月に訪れる訪日外客数は200万人に迫る勢いとなっています。円安であることも、インバウンド客を増やす要因となっています。中国からの訪日客が戻ってくると、この勢いはさらに加速するのは必須です。
弊社が訪日外国人旅行者向けに提供している、Attractive Japanもコロナ前の2倍程の勢いがあり、予約が続々と増えています。その予約の傾向としては、欧米豪からの訪日客を中心として、江戸切子体験や、刀鍛冶見学とオリジナル小刀づくり体験などの文化系コンテンツの人気が高くなっています。また、熊本や沖縄県本島北部のやんばるでの体験ツアーなど、ローカルな場所にも続々と予約が入っていることや、円高の影響もあり高単価な体験ものにも予約が入っていることが、コロナ後の特徴でもあります。今後のさらなる回復に期待をしつつ、しっかり準備をしておくことが求められます。