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2021/07/21 国別対策

ロックダウン中ですら、こっそり旅行していたフランス人。日本はアフターコロナに訪れたい国トップ5

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    こんにちは!地域ブランディング研究所のフランス人スタッフ、ジュリです。

    フランスではコロナパンデミックとなった昨年から3度もロックダウンがあり、厳しい行動制限が義務付けられていました。今ではワクチン接種も進み、段階的に緩和対策が取られるようになっていて、今年のバカンスにはどこに行こうかと皆そわそわしています。

    今回は、コロナ禍で旅行の傾向がどう変化したか。フランス人がアフターコロナに求めている新しい旅のスタイルについてお伝えしていきます。

    フランスのロックダウンとは

    新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、フランスでは昨年3月17日〜5月11日の1回目に始まり、10月30日〜11月27日の2回目、2021年4月3日~5月2日までと3回のロックダウン措置がとられました。

    フランスのロックダウンは、日本の緊急事態宣言よりも、法律で市民やビジネスを制限できるため、公共の場でマスクを着用しなかった場合135ユーロの罰金(約1万7千円)が課されるなど、厳しいものでした。行動制限も厳しく、自宅から3km以内(この距離は少しずつ広がっていきました)の移動しか認められず、外出の際は「外出証明書」の記入と提示が求められました。地方をまたがる移動は「通院、必要不可欠な事情」と「仕事」以外は禁止されていたのです。

    ロックダウン中も旅行に出掛けたフランス人

    このような厳しい行動制限措置がとられていた昨年、バカンス好きなフランス人は旅行に行くことを諦めていたのでしょうか。

    以下のグラフは、エクスペディア・グループが2021年2月に、日本、オーストラリア、 フランス、ドイツ、イギリス、メキシコ、カナダ、アメリカの18歳以上の旅行者1万6000名に対して行った調査から「コロナ禍で旅行を中止または延期した人の割合」を示したものです。

    メキシコ48%、カナダ47%、イギリス44%と、これらの国々では半数近くの人が旅行の予定を中止または延期をしたのに対し、フランスはこれら8カ国中、もっとも低い27%でした。

    ▲2020年の旅行予定をコロナ感染症拡大で中止または延期した人は?

    日本も28%とフランスに次いで中止や延期した人が少なくなっていますが、これはGo To トラベルキャンペーンがあったり、元々日本人は旅行の予約を自粛していましたので、数字がもつ意味合いは少し違います。

    日本は、政府が国内旅行喚起のためのGo Toトラベルキャンペーンなどを実施したものの、2020年の客室稼働率は34.6%。それに対して、フランスのホテルの予約数は、前年より50%減少しただけだったのです。

    フランスでは昨夏のバカンスシーズンはロックダウンが解除されていましたが、海外渡航規制があったため、海外旅行へ行けない代わりに国内のホテルやキャンプ場へ多くの人が出掛けました。

    旅行先として好まれた目的地は、アウトドアでアクティビティのできる場所やビーチ、田園地帯。そして滞在先としては、ロッジや家具付き宿泊施設など、他の人と接することが少ない滞在先の人気が高くなっていました。エアビーアンドビーの需要も高かったようです。特にプール付きの家が好まれました。

    先程、ロックダウン中は厳しい行動制限があったとお伝えしましたが、実はロックダウン中も多くの人が、こっそりと旅行に出掛けていました。

    警察の取り締まりを避けるために幹線道路を避け、車で移動。家族や友人の別荘など、予約跡の残らない行き先を選びました(別荘をもっている人には、友人の知人を通してなど、急に知り合いが増えたそうです)。SNSへの投稿などは一切せず、ロックダウン中もひっそりと旅行を楽しんでいたのです。

    コロナ禍、フランス人が好む旅のトレンドは?

    コロナによってフランス人の旅行のスタイルは以下のように変化しました。

    • 近距離(マイクロツーリズム)
    • 短期間滞在への志向
    • 出発ギリギリに旅先の決定する(最新の感染状況や混雑状況を確認しながら判断)
    • 広い自然エリアを選ぶ

    大規模な観光を避け、SDGsの視点から訪問した地域や人々にとってより有益になるような旅行を選ぶ人も増えています。こちらについては、5月に記事にしたSDGs:欧州人が旅先で求める「サステイナブル・持続可能な観光」とは?をお読みください。

    フランスのツーリズム調査会社INSEEによると、2021 年の旅行に期待するもの上位3つは以下の通りでした。

    • 自然と触れ合える
    • あまり知られていない観光地で珍しい経験ができる
    • 地元の人々と出会い、さまざまな文化を発見し新しい体験ができる

    この旅のトレンドは、フランス人だけでなく、アフターコロナの世界中の国々でも似たような傾向がみてとれます。

    混雑する前に、日本の人気観光地を訪れたいと考えているフランス人

    2021年はじめにYouGov社が行った調査によると、17%のフランス人が今年は旅行しないつもりで、 56% 以上は今年も旅行は国内でする予定。31% は海外に行く予定にしているとのことでした。まずは近隣のヨーロッパ諸国への旅行からスタートすることになると思いますが、日本を訪れたいと思っている人は多くいます。

    日本に住んでいるインフルエンサー達が発信する、美しい日本の風景を見て、できるだけ早く日本を旅行をしたいと思っているのです。ただ、できることなら再び多くの人が戻ってくる前のなるべく早い時期に日本を訪れ、今ならではの人が少ない人気スポット—嵐山の渡月橋や嵯峨野の竹林を訪れたいと考えています。

    2021年6月フランスの商工会議所は、フランスで日本旅行を扱っている大手旅行代理店「Vivre Le japon(ヴィーブ・ル・ジャポン)」のCEOであるMaincent氏にインタビューしました。

    Vivre Le japon社では、旅行者の現状を掴むため、さまざまな調査を行っています。それによると日本または東京が、アフターコロナに訪れたい国、地域のトップ5に選ばれていると語っています。日本はフランス人ファミリー層や熟年夫婦、若い世代など、あらゆる層から人気がある目的地となっているため、アフターコロナに訪れたい国、地域にも選ばれていると説明していました。

    Maincent氏は、アフターコロナの旅のキーワードは、自然とアウトドアであるとも述べています。高山、金沢、その他には東京からも行きやすい関東の観光地などの人気が高まると予想しています。

    一方、中国や東南アジアへの旅行は減少すると予測しています。その理由としては、衛生面でこれらの地域へ旅行することにリスクがあると感じているからだそうです。

    まとめ

    7月1日、EU=ヨーロッパ連合では、新型コロナウイルスのワクチンの接種歴や、PCR検査で陰性だったことを証明する、域内共通の「デジタル証明書(Digital Green Pass)」の運用も始まりました。PCR検査で陰性だったことなどを証明するQRコードを空港などで提示すれば、旅行者は原則として自主隔離や検査が免除され、EU域内での移動ができるようになりました。

    現在は、フランス国内を旅行する場合でも、飛行機に搭乗する前など交通機関によって、PCR検査が必要な場合もあります。逆の言い方をすれば、それらをきちんとしておけば、旅行もしやすくなっています。

    フランス人は、旅行することがとにかく好きで、新型コロナウイルスへの感染のリスクですら、旅に出たいという欲求を抑えることはありませんでした。さらにワクチン接種が進んだことで、旅行業界は迅速な回復をみせています。

    日本政府が海外からの渡航を認め、スムーズに旅行できるようになれば、衛生対策がきちんとできている清潔で安全な日本に行きたいと思っているフランス人は多くいます。

    日本への旅行を妨げているのは、新型コロナウイルスの感染拡大ではなく、日本が国境の再開を決定しないためです。ワクチン接種を済ませた外国人観光客の受け入れをいつ開始するかについて、日本政府はまだ何も発表していません。

    フランスのJNTOは最近、フランス人から寄せられた質問リストを公開しました。その一つに、「今、日本を外国人が訪れた場合、歓迎されるでしょうか?」というものがありました。日本に行きたいと思っているフランス人は多くいますが、日本を訪れても歓迎されないのではないか、外国人ということで差別的な扱いを受けるのでないかと心配しているのです。

    それは、日本政府の対応だけでなく、一人一人の日本人が外国人に対してどのような対応をするかも含まれます。外国人に対してどんな対応なのか、受け入れる雰囲気はあるのか。日本に行きたいと思っている外国人は注目しています。

    自然の中の、あまり人に知られていない観光地で、地元の人々とふれあい、日本ならではの体験をしてみたいと考えている人が多い今。そんな旅行者のニーズにあったコンテンツをつくり、海外からの旅行者の訪れを地域全体で待っていることを伝えていくことが大切です。

    こんにちは!地域ブランディング研究所のフランス人スタッフ、ジュリです。

    フランスではコロナパンデミックとなった昨年から3度もロックダウンがあり、厳しい行動制限が義務付けられていました。今ではワクチン接種も進み、段階的に緩和対策が取られるようになっていて、今年のバカンスにはどこに行こうかと皆そわそわしています。

    今回は、コロナ禍で旅行の傾向がどう変化したか。フランス人がアフターコロナに求めている新しい旅のスタイルについてお伝えしていきます。

    フランスのロックダウンとは

    新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、フランスでは昨年3月17日〜5月11日の1回目に始まり、10月30日〜11月27日の2回目、2021年4月3日~5月2日までと3回のロックダウン措置がとられました。

    フランスのロックダウンは、日本の緊急事態宣言よりも、法律で市民やビジネスを制限できるため、公共の場でマスクを着用しなかった場合135ユーロの罰金(約1万7千円)が課されるなど、厳しいものでした。行動制限も厳しく、自宅から3km以内(この距離は少しずつ広がっていきました)の移動しか認められず、外出の際は「外出証明書」の記入と提示が求められました。地方をまたがる移動は「通院、必要不可欠な事情」と「仕事」以外は禁止されていたのです。

    ロックダウン中も旅行に出掛けたフランス人

    このような厳しい行動制限措置がとられていた昨年、バカンス好きなフランス人は旅行に行くことを諦めていたのでしょうか。

    以下のグラフは、エクスペディア・グループが2021年2月に、日本、オーストラリア、 フランス、ドイツ、イギリス、メキシコ、カナダ、アメリカの18歳以上の旅行者1万6000名に対して行った調査から「コロナ禍で旅行を中止または延期した人の割合」を示したものです。

    メキシコ48%、カナダ47%、イギリス44%と、これらの国々では半数近くの人が旅行の予定を中止または延期をしたのに対し、フランスはこれら8カ国中、もっとも低い27%でした。

    ▲2020年の旅行予定をコロナ感染症拡大で中止または延期した人は?

    日本も28%とフランスに次いで中止や延期した人が少なくなっていますが、これはGo To トラベルキャンペーンがあったり、元々日本人は旅行の予約を自粛していましたので、数字がもつ意味合いは少し違います。

    日本は、政府が国内旅行喚起のためのGo Toトラベルキャンペーンなどを実施したものの、2020年の客室稼働率は34.6%。それに対して、フランスのホテルの予約数は、前年より50%減少しただけだったのです。

    フランスでは昨夏のバカンスシーズンはロックダウンが解除されていましたが、海外渡航規制があったため、海外旅行へ行けない代わりに国内のホテルやキャンプ場へ多くの人が出掛けました。

    旅行先として好まれた目的地は、アウトドアでアクティビティのできる場所やビーチ、田園地帯。そして滞在先としては、ロッジや家具付き宿泊施設など、他の人と接することが少ない滞在先の人気が高くなっていました。エアビーアンドビーの需要も高かったようです。特にプール付きの家が好まれました。

    先程、ロックダウン中は厳しい行動制限があったとお伝えしましたが、実はロックダウン中も多くの人が、こっそりと旅行に出掛けていました。

    警察の取り締まりを避けるために幹線道路を避け、車で移動。家族や友人の別荘など、予約跡の残らない行き先を選びました(別荘をもっている人には、友人の知人を通してなど、急に知り合いが増えたそうです)。SNSへの投稿などは一切せず、ロックダウン中もひっそりと旅行を楽しんでいたのです。

    コロナ禍、フランス人が好む旅のトレンドは?

    コロナによってフランス人の旅行のスタイルは以下のように変化しました。

    • 近距離(マイクロツーリズム)
    • 短期間滞在への志向
    • 出発ギリギリに旅先の決定する(最新の感染状況や混雑状況を確認しながら判断)
    • 広い自然エリアを選ぶ

    大規模な観光を避け、SDGsの視点から訪問した地域や人々にとってより有益になるような旅行を選ぶ人も増えています。こちらについては、5月に記事にしたSDGs:欧州人が旅先で求める「サステイナブル・持続可能な観光」とは?をお読みください。

    フランスのツーリズム調査会社INSEEによると、2021 年の旅行に期待するもの上位3つは以下の通りでした。

    • 自然と触れ合える
    • あまり知られていない観光地で珍しい経験ができる
    • 地元の人々と出会い、さまざまな文化を発見し新しい体験ができる

    この旅のトレンドは、フランス人だけでなく、アフターコロナの世界中の国々でも似たような傾向がみてとれます。

    混雑する前に、日本の人気観光地を訪れたいと考えているフランス人

    2021年はじめにYouGov社が行った調査によると、17%のフランス人が今年は旅行しないつもりで、 56% 以上は今年も旅行は国内でする予定。31% は海外に行く予定にしているとのことでした。まずは近隣のヨーロッパ諸国への旅行からスタートすることになると思いますが、日本を訪れたいと思っている人は多くいます。

    日本に住んでいるインフルエンサー達が発信する、美しい日本の風景を見て、できるだけ早く日本を旅行をしたいと思っているのです。ただ、できることなら再び多くの人が戻ってくる前のなるべく早い時期に日本を訪れ、今ならではの人が少ない人気スポット—嵐山の渡月橋や嵯峨野の竹林を訪れたいと考えています。

    2021年6月フランスの商工会議所は、フランスで日本旅行を扱っている大手旅行代理店「Vivre Le japon(ヴィーブ・ル・ジャポン)」のCEOであるMaincent氏にインタビューしました。

    Vivre Le japon社では、旅行者の現状を掴むため、さまざまな調査を行っています。それによると日本または東京が、アフターコロナに訪れたい国、地域のトップ5に選ばれていると語っています。日本はフランス人ファミリー層や熟年夫婦、若い世代など、あらゆる層から人気がある目的地となっているため、アフターコロナに訪れたい国、地域にも選ばれていると説明していました。

    Maincent氏は、アフターコロナの旅のキーワードは、自然とアウトドアであるとも述べています。高山、金沢、その他には東京からも行きやすい関東の観光地などの人気が高まると予想しています。

    一方、中国や東南アジアへの旅行は減少すると予測しています。その理由としては、衛生面でこれらの地域へ旅行することにリスクがあると感じているからだそうです。

    まとめ

    7月1日、EU=ヨーロッパ連合では、新型コロナウイルスのワクチンの接種歴や、PCR検査で陰性だったことを証明する、域内共通の「デジタル証明書(Digital Green Pass)」の運用も始まりました。PCR検査で陰性だったことなどを証明するQRコードを空港などで提示すれば、旅行者は原則として自主隔離や検査が免除され、EU域内での移動ができるようになりました。

    現在は、フランス国内を旅行する場合でも、飛行機に搭乗する前など交通機関によって、PCR検査が必要な場合もあります。逆の言い方をすれば、それらをきちんとしておけば、旅行もしやすくなっています。

    フランス人は、旅行することがとにかく好きで、新型コロナウイルスへの感染のリスクですら、旅に出たいという欲求を抑えることはありませんでした。さらにワクチン接種が進んだことで、旅行業界は迅速な回復をみせています。

    日本政府が海外からの渡航を認め、スムーズに旅行できるようになれば、衛生対策がきちんとできている清潔で安全な日本に行きたいと思っているフランス人は多くいます。

    日本への旅行を妨げているのは、新型コロナウイルスの感染拡大ではなく、日本が国境の再開を決定しないためです。ワクチン接種を済ませた外国人観光客の受け入れをいつ開始するかについて、日本政府はまだ何も発表していません。

    フランスのJNTOは最近、フランス人から寄せられた質問リストを公開しました。その一つに、「今、日本を外国人が訪れた場合、歓迎されるでしょうか?」というものがありました。日本に行きたいと思っているフランス人は多くいますが、日本を訪れても歓迎されないのではないか、外国人ということで差別的な扱いを受けるのでないかと心配しているのです。

    それは、日本政府の対応だけでなく、一人一人の日本人が外国人に対してどのような対応をするかも含まれます。外国人に対してどんな対応なのか、受け入れる雰囲気はあるのか。日本に行きたいと思っている外国人は注目しています。

    自然の中の、あまり人に知られていない観光地で、地元の人々とふれあい、日本ならではの体験をしてみたいと考えている人が多い今。そんな旅行者のニーズにあったコンテンツをつくり、海外からの旅行者の訪れを地域全体で待っていることを伝えていくことが大切です。

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