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2020/08/04 体験プログラム紹介

【第1回Attractive JAPAN大賞「地域アイデンティティ賞」薙刀体験の伊丹修武館さんにインタビュー!】

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    Attractive JAPAN大賞受賞者インタビューのコーナーでは、地域で体験観光をおこなう方々の想いを深掘りしていきます。今回は、地域に根差した固有の文化・伝統を守ることに大きく貢献したプランを称える「地域アイデンティティ賞」を受賞した兵庫県伊丹市で日本古来の武道「薙刀」の体験プランを提供する修武館の木村さんにお話をうかがいました。

    修武館なぎなた体験の概要

    兵庫県伊丹市で230年続く老舗道場「修武館」と薙刀

    修武館は兵庫県伊丹市にある道場で、230年の歴史があります。ここでは、薙刀の他に、剣道や居合の稽古もしています。薙刀には、競技なぎなたと古武道の2種類があり、体験プランでは、古武道の天道流の稽古を体験してもらいます。天道流は450年の歴史がある、桶狭間の戦いのころにできた流派です。形試合といって防具は付けず、 太刀と真剣勝負をします 。 天道流では薙刀の他に太刀(木刀)、二刀、鎖鎌、杖、懐剣、短刀などを使います。

    薙刀体験に込められた想い

    日本の伝統文化の真髄に触れてもらう体験を

    剣道を体験していただく機会は多くありましたが、古武道の体験を提供するのは初めてでした。競技なぎなたは国際なぎなた連盟(INF)というのがあって、現在16ヵ国加盟しています。古武道薙刀に触れる機会は少なく、体験すると虜になる方が多いです。古武道の薙刀は初めてという方がほとんどです。古武道を体験プランに選んだ理由は、やはり日本の伝統文化に触れていただきたいということ。いろいろな国からお客さんが来てくれて、喜んでくださるのがすごく嬉しいです。

    なぎなたを体験したお客さんの反応

    お客さんの国としては、1/3くらいがアジアのお客さんで、アメリカ、オーストラリアと続きます。初めから古武道に興味を持っていらっしゃる方が多い印象です。日本の文化にある程度共感を持って体験をしに来てくださっているからか、日本の伝統が培ってきた心や技、静寂といった抽象的な概念をすぐに汲み取られるので驚きます。

    薙刀は相手に正対しない(相手に正面を見せない)姿勢が基本です。この姿勢はいろいろなスポーツの中でも珍しいため、難しいと感じる方もいます。慣れない動きをしながら、心の中の強弱緩急をうまく組み合わせていろんな稽古をしていきます。この呼吸、間、間合いの難しさが薙刀の奥深さでもあります。武道が好きな方はこの味わいにめりこまれていくのを指導していて感じます。

    外国人が薙刀にハマる理由

    手法が多い、技数が多い、長い武器を自由自在に操れるといったことに魅力を感じる方は多いようです。 打突部位は面からすねまで5ヶ所あり、剣道より多く、左右からの技、もちかえたり、刃や柄を使ったりと技数も豊富です。天道流の薙刀は樫の木でできていて、 重さがあるので気持ちを入れやすいです。海外の方は熱心に取り組んでくれて、その姿にいつも感動します。技は見せれば伝わるので、言語の壁をさほど感じないのもいいところですね。 また、専門用語は日本語のまま伝えるようにしています。

    印象に残った体験者のエピソード

    海外の体験者であまり上手にできないと感じる方がいて、最初はおもしろくない顔をしていました。ですが、だんだんコツを掴んでくると、すごく楽しそうで、最後には「ありがとう」と感動して帰られました。上手な方は簡単にできてしまうので、自然とふれあいは少なくなるのですが、不器用な方にはみんなで必死になって教えます。そうするとふれあいが深まるんですね。最後は別れがたくなってしまうほどです。

    私は60年以上古武道を続けていますが、薙刀って、運動神経があるからできるというわけではないんです。技数も多いので、その人なりの個性が出るんですね。運動神経がある人は、素早い薙刀になるし、ゆったりした方も味わいのある薙刀になります。若々しいとか、熟練しているとか、それぞれの良さを感じてもらいたいです。

    体験を通じて伝えたいこと

    技を覚えていただきたいのはもちろんですが、1時間程度の体験時間で上手に仕上げるということはすごく難しいです。なので、まず伝えたいのは、技の本質です。力ではなく、技と体を駆使して、ラクにできることも伝えたいです。体力がなくても、うまくのっていくことができますよ。難しいこと、辛いことは二の次で、「また薙刀をやってみたい」と感じていただきたいですね。

    なぎなたを通じて、日本の文化も同時に伝えています。まずは、おじぎで礼節を尊重すること。みなさんには袴の稽古着を身に付けていただくことで、緊張感を味わっていただきます。袴はズボンとは違う動きづらさがあることも伝えて行くようにしています。

    裸足で木の床を踏みしめる感覚や道場のピリッとした雰囲気にも、多くの人にふれていただきたいですね。少しでも多くの文化を知ってもらえたらという気持ちです。

    また、できるだけ1対1で指導することを意識しています。言葉が通じなくても、よりなぎなたや日本文化の真髄を感じてもらえたらと願っています。

    今後の展望

    伊丹市で薙刀体験をやっていく意義

    伊丹市は全日本なぎなた連盟という新しい薙刀の事務局があり、 全国高校なぎなた選抜大会を15年開催しています。天道流、新しいなぎなたの稽古もしています。博物館でも天道流・なぎなたの古文書や歴史を紹介したりしています。そういう背景から「なぎなたの街・伊丹」と認識されています。

    薙刀の技、歴史、みんなに伝え、薙刀をもっとたくさん知ってもらえるお手伝いが出来ればと思っています。今後も伊丹市のみなさんに受け継いでもらいたいと思っています。

    伊丹市を海外に伝えていく

    大阪空港は伊丹市に近いので、海外から来られたら、ぜひ寄ってほしいですね。今は道場がだんだん少なくなっていて、ほとんど体育館で稽古している状況ですから、伝統的な修武館の道場で体験していただきたいです。伊丹市は武道だけでなく、見どころがたくさんあるので、招致しやすいかもしれません。

    薙刀を教える時間がとても楽しいので、今後も日本だけでなく、海外の方を受け入れていきたいと思っています。

    まとめ

    修武館さんでは、薙刀体験を通じて日本文化の本質に触れられることが、多くの外国人から支持される理由となっていました。

    体験を行う際の工夫としては、

    • 「木の床」「道場」といった日本らしさを五感で感じられるようなロケーション
    • 一対一でのコミュニケーションでお客さんとのふれあいを大切にする
    • ただ動作を体験してもらうのではなく、本質を伝える

    といったことが重要だということを改めて認識しました!

    修武館なぎなた体験の予約ページはこちら↓
    https://attractive-j.com/experiences/P9Y6NY

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