福岡県 豊前エリア

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森林の中で心を研ぎ澄ます体験を地域のポテンシャルを開放していく

地域活性化のために豊かな自然を活かした事業を

福岡県の東部に位置する豊前市。瀬戸内海に面しており、複数の山岳地帯や森林、河川や公園、自然保護区を有する自然に恵まれたエリアだ。しかし近年、豊前市を訪れる乗客数の減少によりJR九州のダイヤ改正が実施され、快速は減便。協会に所属している東さんは「人を呼び込み、地域を活性化させなければならないと危機感を覚えた」と当時を振り返る。東さんは、京築エリアを中心に、体験型コンテンツを開発したいと考えた。たとえば、求菩提山でのリトリート体験。ここはかつて修験道が栄えた山で、山伏が大自然の中での修行を通じて験力を得る霊場として知られている。「リトリートができれば、自然の中でのリラックス効果だけでなく、マインドフルネスも期待できて、経営者や高い意識を持つビジネスマンにも需要が見込める。しかし、当時の観光協会には、それをかたちにする人手もノウハウもありませんでした」。

地域の一員として汗をかきながら、伴走する

地ブラの末田は、東さんをはじめとする地域の人々の「自分ごととして、地域を盛り上げたい」という熱意に惹かれた。「地域の力になりたい」。そう決意した末田は豊前に足繁く通い、観光協会とともに体験型コンテンツの造成に着手した。末田はまず、周辺住民の方や地域の事業者一人ひとりの名前を覚えて対話を重ねた。リトリートをはじめ、自然豊かな地域を活用した多数のアイデアが生まれる中で、目的を言語化し、具体的なスケジュールを設定して推進していった。「地域の一員として、一緒に現地を駆け回って意見を取りまとめて、かたちにしてくれる。こんなコンサルタントははじめてで、感激した」と、東さんは話す。そうしてアイデアを磨き上げ、地ブラが伴走してから2年で「求菩提里山リトリート」のリリースが叶った。何年もかけて観光コンテンツ開発を進めても、途中で頓挫してしまうエリアは少なくない。「必要以上に検証に時間をかけるのではなく、体験されたお客様にフィードバックをもらいながら改善する」という地ブラのスタンスが功を奏した。

ワールドワイドに愛される観光地をめざして

さらに「求菩提里山リトリート」のWebサイト制作にも伴走。観光協会の意見をまとめながら、ロゴやコピーの決定、カメラマンのキャスティングに至るまで地ブラがサポートをおこなった。「地域の意思を尊重しながら、別の視点から提案してブラッシュアップしてくれるのが心強かった」と東さん。たとえば、地ブラとタッグを組む以前は、求菩提山へのインバウンド客の誘致は構想していなかった。しかし「出羽三山や熊野古道といった修験道文化を活かしてインバウンド客を誘致しているエリアがあるように、求菩提でも修験道・神楽・森林浴といったキーワードでインバウンド需要を取り込める」と末田が話したことで、英語ガイドとの連携や海外旅行会社の誘致などさまざまな取り組みが動き始めた。「地ブラに背中を押してもらって、観光協会は一層、エリアの可能性を前向きに信じられるようになった」と、東さんは笑顔を見せた。求菩提山に息づく伝統や風景を次世代につなぐため、地ブラはこれからも伴走し続ける。

需要や魅力を掘り起こし エリアの価値を高めていく

  • ・地域の一員として、現地で手足を動かし続ける
  • ・豊かな自然を活用した観光商品を2年でリリース
  • ・自然資源に修験道の文脈を掛け合わせたコンテンツを開発
  • ・インバウンド需要を見据えて魅力あるエリアの未来に伴走

東 里美さん

福岡県北九州市出身。大学卒業後、ラジオ局や福岡市内のコンサート企画運営会社で広報を務める。その後、京築エリアのFMラジオパーソナリティーや地域おこし協力隊員の立場から豊前の魅力発信に関わる。現在、豊前観光まちづくり協会の職員として、観光やまちづくりなどさまざまなプロジェクトに携わる。