【実は多民族国家】台湾人の内訳とインバウンド集客時における注意点。
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こんにちわ。地域ブランディング研究所の台湾人スタッフ、ゴショウセンです。
ところでみなさん、台湾は単一民族国家と思っていないでしょうか?
国土面積は九州と同じくらいと小さい台湾ですが、実は大きく4つのグループから成る多民族国家。
台湾人集客を考える上で知っておくと良い文化的な前提知識をまとめましたのでご紹介します。
台湾人は4つのグループから構成されている
台湾人は大きく大別して4つのグループから構成されています。
- ホーロー人:74%
- 客家人:12%
- 外省人:12%
- 原住民:2%
さらにホーロー人と客家人はまとめて本省人とも呼称されます。
ちなみに 近年台湾人の国家意識が覚醒し、「台湾は1つの国であり、中国の省ではない」と考える人が増えています。
自分が台湾人ではないと思っている外省人に対しては「中国人」と呼んでいる人も多くなってきています。
いわゆる親日派は本省人である
「ホーロー人」と「客家人」は、日本統治時代(1895-1945)と中華民国政府の政策を比較することができるので、親日台湾人であることがほとんどです。
一方外省人は、もともと中国大陸の住民であり、第二次世界大戦の影響もあるため、日本に対しての考え方は、今の中国人と近いです。
台湾原住民は種類が多く対日感情については一律に論じることができません。
台湾に浸透している日本語
日本統治時代には、インフラだけでなく教育体制も整えられたため、今の70代くらいのお爺ちゃんやお婆ちゃんには日本語がわかる人がいます。
余談ですが 日本語の外来語と同じ感覚 今でも使われている日本語があります。いくつかご紹介しましょう。
- 「あそび」・・・ 祖母や母も「物事にゆとりのある意味」として使っています。
- 「ラジオ」・・・ お年寄りの方はまだまだ使っています。
- 「おみやげ」・・・ アクセントは若干違いますが、頻繁に使われています。
- 「おばさん」・・・ これも、違ったアクセントですが、台湾の日常的な用語です。当て字で「歐巴桑」と書きます。
- 「タンス」・・・私の祖母もよく「タンス、タンス」と言っていました。
- 「たたみ」・・・台湾で「たたみ」と言って、知らない人はいません。当て字で「榻榻米」と書きます。
- 「べんとう」・・・ 標準語で話すときはあまり使わないです。ただ、台湾語でニュアンスは違いますが、使います。
多民族性から起因する台湾人気質
台湾に行ったことがある日本人たちは、よく「台湾人って優しい」と言ってくれます。台湾出身の私から見る限り、それは「優しい」というより、台湾人の「内、外感覚」があまりにも薄いからではないかと思います。
知らない人ともすぐに仲良しになれますし、あの人が困っているなと気づいたら「大丈夫?」と声をかけます。この国民性は多民族国家というバックグラウンドから起因しているのかもしれません。
訪日インバウンドにおいて気をつける事
しかし悪いところもあります。内と外の境がわからないから、日本人のおもてなし文化を勘違いしてしまうこともあります。
①調子に乗ってリクエストが過剰になる
「台湾人が好きで、仲が良いから色々やってくれるんだね!」と思い込み、「じゃあ、もっとリクエストしよう!」と調子にのってしまう台湾人は結構いるのです。
おもてなしをPRする際は、調子にのりやすい台湾人もいるのだということを少し意識しながら、対応できないことや他に支障が出そうなリクエストに対しては、直接断ってもいいと思います。
また、「ここまでなら対応できますが、これ以上はできないですよ」と、はっきり伝えることも大事です。
②時間感覚が甘い
身内感が高まるほど時間間隔は緩くなるように、内と外の境界が薄い台湾人は日本人の時間感覚から考えると相当ゆるいです。
例えば13:00集合と事前に伝えても、13:05か、13:10に来ます。しかも、ゆっくり歩いて登場します。仲の良い友達なら、なおさらです。
私も友達と約束する時には、必ず本当の集合時間より30分ほど早い時間を伝えます。12:00に現れてほしいなら、絶対に11:30集合と伝えます。
体験プランを設計する時には、目安時間を多めにとった方がいいでしょう。また1日に何組も順番で受け入れる場合は、組と組の間の空白時間は少し余裕をもって設けた方が現実的です。
以上親日的でフレンドリーな台湾人ですが、受け入れの際は上記気をつけて頂ければ持続的な体験コンテンツが醸成できるでしょう。
今日の一句
”台湾は 多民族から成る ONE NATION”