【セミナーレポ】「データから見るインバウンドマーケティング」in浅草
目次 [非表示]
2013年よりセミナーを毎月開催しています。
弊社地域ブランディング研究所では、学生団体エリブラが主催するまちづくりに関連するセミナー「MACHIBIYA(マチビヤ)」の運営をサポートしています。
2013年の6月からほぼ毎月開催しており、開催実績はもうすぐ50回。毎回多くの社会人や学生の方に参加いただいています。
また、インバウンドに関連するテーマも多く開催実績がございます。
日付 | タイトル | 所属 | 講師 |
---|---|---|---|
2013/6/23 | 日本における観光産業~インバウンドの可能性~ | ㈱アドウェイズ | 田鹿 倫基 氏 |
2014/6/28 | ASEAN諸国からのインバウンド事情 | ㈱アジアクリック 代表取締役 | 高橋 学 氏 |
2015/8/27 | タイ人観光客が変える、日本のインバウンド最前線 | タイ人観光学博士 | Klaysikaew Krairerk 氏 |
2017/4/18 | インバウンドビジネスの現場最前線 | ㈱トラベリエンス 代表取締役社長 | 橋本 直明 氏 |
さて、47回目となった今回はマーケットデータやSNSを活用してインバウンド業界を牽引されている2人の専門家の方をお招きし、8/4(金)「データから見るインバウンドマーケティング」というテーマでセミナーを開催させていただきました。その様子をお伝えいたします。
講演者ご紹介
今回お話頂く講演者のプロフィールは下記のとおりです。
訪日外国人動態データ専門家 川西哲平さん
株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
インバウンド推進チームアシスタントマネージャー
全国20万個以上のWiFiアクセスポイントを運営する企業に所属。
WiFi接続&GPS情報を利用した訪日外国人の動態データを活用した分析を得意とし、鉄道会社や自治体の調査業務に従事されています。
SNSマーケティングのプロフェッショナル 道越万由子さん
株式会社BEYOND 代表取締役
新卒からWEB業界に入りSNSやインターネットマーケティングの経験を積まれ今まで100社以上をプロデュース。
2016年に会社を設立され、全国年間50回の講演に加え、日本インバウンド連合会(JIF)の理事や神戸山手大学のゲスト教授を務められています。
【第1部】ビックデータから見る訪日外国人の動向について by川西さん
なぜ日本のWifiは使いづらいのか?
訪日外国人が挙げる不満点で未だに上位に来るのがWiFiの接続問題。
日本全国にアクセスポイントがあるにも関わらず、これだけ不満が多いのは、何故でしょうか?
理由は使い勝手。海外のWiFiスポットではタップ1つで簡単に接続or店舗施設でもPWを入力するだけで簡易に利用できるものが多いのに対し、日本のWiFiはユーザー登録しないと使えないものが大半だからです。
そこで、ワイヤ・アンド・ワイヤレスでは外国人限定で全国のWiFiスポットを無料で使えるアプリを開発。2017年7月現在200万ダウンロードを達成しています。
WiFi接続データが貴重な情報源になる
ワイヤ・アンド・ワイヤレスでは、訪日外国人に無料でWiFiを提供する代わりに、個人情報を除いたWiFi接続情報やGPSの位置情報を取得します。
データ量が非常に膨大な、いわゆるビックデータなのですが、これを丁寧に分析することで、効率効果の高いインバウンドマーケティングが可能になるのです。
地方への波及は本当に進んでいるのか?
例えば訪日外国人がどんどん地方に波及しているというニュースが出てきていますが、実際のところはどうなのか?という実態を調べることが出来ます。
例えば2016年と2017年を比較するとまだまだゴールデンルート中心の移動となっていることが分かります。
なぜマレーシア人は浅草雷門から離れた場所まで回遊しているのか?
ワイヤ・アンド・ワイヤレスの持っているビックデータは、マクロ視点だけでなく、エリアに絞った分析も出来ます。
例えば浅草に訪れるマレーシア人の行動を分析すると、雷門のある中心エリア意外も広く回遊していることがわかります。マレーシア人はイスラム教徒が多い国なのですが、ハラル対応している飲食店が広く分布しているためにこのような回遊現象が確認できるのです。
何か施策を打った際の効果検証ツールとして活用すれば、精度向上によりPR予算の費用対効果を継続的に向上することができるわけですね。
伊丹空港に東京モノレールの広告を貼る理由
また、当該地域を訪れる前にいた場所もログを遡ることによって特定することが出来ます。先ほどの浅草を訪れるマレーシア人の場合、大阪や京都から流入しているケースが多く確認できました。この情報を活用することで、関西圏に広告を打っても効果的ということが分かります。
実際東京モノレールの広告が大阪の伊丹空港に設置されています。伊丹空港から羽田空港に向かう方が多いので、事前に認知を高めてモノレールに誘導する作戦というわけです。この事例と同じことが、データを分析することで可能になります。
訪日外国人の動きを見える化し、効果的な施策を立案したい方、是非ワイヤ・アンド・ワイヤレスの川西さんに問い合わせ下さい。
【第2部】 ソーシャルメディアを活用したインバウンド誘致のコツ by道越さん
効果が高いSNSとは何か?
インバウンドのPR手段としてSNSの有用性が多く叫ばれています。が、数あるSNSの中でどれが一番効果的なのでしょうか??
その答えはfacebook!日本では若者のfacebook離れが進んでいますが、世界目線で見るとまだまだ圧倒的な地位を確立しています。
facebookのターゲティング項目は1,000以上!
加えてfacebookは他SNSに比べて精度の高いPRが可能です。なぜなら設定できる項目が1,000以上もあるからです。
具体的には、学歴やよく見ているテレビ番組から交際履歴まで!原則実名登録がルールとなっているfacebookならではの強みですね。
道越さんはこのfacebookの高いターゲットリーチ特性をフル活用し、数々の成功事例を叩き出しています。
- 従業員5人の八百屋が開始3日間でいいね3.5万人 現在140万いいねを獲得。
- 2週間で甘酒を400万円販売
- 鳥取のスマホで撮影したなんでもないグルメ動画で37万回再生
- インフルエンサーに頼らないPR法
- ○○ネタは鉄板!必ずバズる!
私も普段何気なくfacebookを使っていますが、やり方次第でここまで大きな成果が出せるというのが目からウロコでした。
SNSをフル活用して精度の高いPRを検討されている方、道越さんがいればかなり心強いと思います!
まとめ
おふたりの話に共通するのは、データ分析による仮説検証を徹底しているということ。今後各地域でプレーヤーが増えてくるインバウンド市場においては、イメージに基づく場当たり的・思いつきの施策は命取り。
インバウンドによる集客・地域活性化を考えられているご担当者さまにおかれましては、マーケットデータが肝であることを意識して頂ければと思います。
▲今回も大盛況!
今後も有用なインバウンドセミナーを告知して参りますので是非ご参加下さい!
MACHIBIYAサイト視点のレポートはコチラ
今日の一句
”データは インバン市場の 命綱”