外国人は猫島に興味を持っているか?【動物とふれあう体験のポイント】

こんにちは!地域ブランディング研究所のフランス人スタッフ、ジュリです。

フランスと日本で観光に携わってきた経験とフランス人の視点から、皆さんがふと疑問に思うような外国人の興味・関心や、インバウンド向け体験コンテンツ造成のポイントをお伝えしていきます。

今回は、動物とふれあう体験のポイントについてご紹介します。

猫好きは日本人だけ?

猫はどんな国や文化でも愛される生き物です。フランスでも日本と同じように、猫は最も飼われているペットのひとつです。フランスの2018年度の飼育頭数は1,148万匹*です。中国だと5,310万匹。アメリカだと7,405万匹。猫好きは世界中にいます。ちなみに私も家族も猫派です。

*PETOKOTO『猫が犬の数を上回る国は日本だけじゃない?日本と世界のペット飼育数ランキング』
http://petokoto.com/articles/213

日本=猫文化?

実は、日本は猫文化が強いイメージがあります。

日本には「招き猫」の置物があったり、猫と実際に触れ合える「猫カフェ」があったりもします。また、ジブリ映画には多くの猫キャラがいるなどの例があるのも、その理由のひとつです。さらに、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』は世界中で翻訳されています。私もフランス語で読んだことがあります。

訪日観光客は日本の猫に興味があるの?

まずは検索してみましょう。「動物+島」の検索が人気です。宮崎県の青島や宮城県の田代島などが「猫の島」として紹介されています。

●グーグルで「cat + island + japan」の検索結果1番:
https://www.hisgo.com/us/destination-japan/blog/top_3_cat_islands_in_japan.html

●グーグルで「cat + island + japan」の動画検索結果:
http://www.google.com/search?q=cat+island+japan&client=firefox-b-d&source=lnms&tbm=vid&sa=X&ved=2ahUKEwiBytuXkMjsAhUTzmEKHSqTB0UQ_AUoA3oECCUQBQ&biw=1294&bih=762

●グーグルで「animal + island + japan」の動画検索結果
https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&biw=1294&bih=762&tbm=vid&ei=I3GRX9biCpbZhwOtqILoDw&q=animal+island+japan&oq=animal+island+japan&gs_l=psy-ab.3…109660.110290.0.110902.0.0.0.0.0.0.0.0..0.0….0…1c.1.64.psy-ab..0.0.0….0.5KTe_-Gn1mY

このように、海外から日本に来る人は猫についてもいろいろと検索していて、誰にでも人気のようです。やっぱり猫がかわいいからですね。

動物とふれあう観光コンテンツの注意点

国によって動物の取り扱いは大きく異なります。

特に欧米人にとって動物は、法律的に人間と同じ「気持ちのある生き物」として扱われています。家で飼うペットの種類も法律によって国に管理されています。フクロウ、カワウソなどは野生動物のため飼育禁止です。

ドイツとオーストラリアでは、狭い水槽で金魚を飼うことは違法になります。そのため、動物に服を着させるなど日本人にとっては当たり前なことが、訪問客目線(住んでいる国にもよりますが)では、不自然なしつけや飼い方となり、かなりショッキングに映ります。

タイの観光スポットのタイガーパークや象トレッキングは日本人には人気ですが、欧米客にはとても嫌われています。

日本の同じような事例を紹介します。

●TripAdvisor:広島県大久野島(うさぎの島)の口コミページ
⇒多くの英語レビューがありますが、「最低」の評価は1桁です(3件。そのうち1件は人の多さに関するもの)。
http:// www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022436-d3243254-Reviews-Okunoshima_Island-Takehara_Hiroshima_Prefecture_Chugoku.html#REVIEWS

動物とふれあうコンテンツで不快感を与えないためには、動物達がのびのびと過ごせる環境にあるか(十分な広さがあるか、広さに対して飼育頭数は多すぎないか)、清潔感が感じられるか(臭い、動物たちは健康そうか)などが鍵になっています。また、人間と動物が共生している(ように見える)のか、それとも観光客を集めるために動物たちが飼育されているのか、といったことも重視されます。

日本には動物島がいくつかありますが、その管理はそれぞれ大きな差があるようです。

管理されていない島のなかには、観光客が動物に餌をあげてしまい島の人の迷惑になっている話が多いようです。また、猫が飢えていて人間を恐れたり、病気を持っている動物から人間にうつったりするなど、危ない場所もあるようです。

観光コンテンツとして動物島パッケージを売りたい場合は、島の人と連携してしっかり管理をされている場所に観光客を集中させましょう。また、観光客からのお金の一部を管理費にあてるなどを検討すると良いかもしれません。

動物や環境を守りながら観光を作り、動物虐待になってしまうような観光は避け、外国人にとっても人気の動物とふれあう観光体験を楽しめるようにしましょう!

まとめ

ここでのポイントをまとめます。

  • 外国人も「猫」が好き。「猫」は書籍や動画でもよく検索されている
  • 猫好きの外国人にとって、日本はとても魅力的な文化を持つ国
  • 動物島についてもよく検索されている
  • 動物の取り扱いは国によって違うため、注意が必要
  • 動物とふれあう観光コンテンツは、管理が大事

日本人にも外国人にも人気の観光となっている、「動物とのふれあい」ですが、その背景をしっかり理解することが、インバウンド向けの観光コンテンツを造成するためにも大切になってきます。観光客を増やすことだけが目的にならないように、地域の方と協力しながら進めていけるとよいですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

フランス ボルドー出身。2016年ボルドー大学卒業後、京都大学でも学ぶ。大学卒業後は日本に滞在し、一環してインバウンド向けのコンサルタントに携わっている。名古屋の「Glocal Hostel, Cafe & Bar」ゲストハウス&カフェではイベント企画運営などを2年間担当。株式会社カーネルコンセプト・コンテンツ企画室ではChubu Inbound Sales Project事務局兼スピーカーとして1年半活動。現在は地域ブランディング研究所でインバウンド観光のコンサルタントとして活動。人をつなげる「サステナビリティ」×「ローカル」な観光を作りたい。 好きな日本文化はジブリ映画、居酒屋、銭湯。