【開催レポ】観光庁:誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成実証事業全国シンポジウム『第2セッション これからの魅力的なコンテンツ造成』

第2セッション概要

つづいて、「これからの魅力的なコンテンツの在り方」をテーマに、アフターコロナ期において変化している旅行スタイルの中でも、魅力的に映るコンテンツの造成に力を入れているお二方の事例を基に、サスティナブルツーリズムの分野でご活躍されている森 高一さんを交えてディスカッションを行いました。

コロナ禍において変わっていくものと根底にある変わらないものを見つけ出しながら、これからのwithコロナ、afterコロナの観光の在り方や方法をサスティナブルの観点から観光業にどう活かしていくかなどの白熱したトークや議論が繰り広げられました。第1セッションに引き続き、全体のモデレーターは、地域ブランディング研究所の吉田が務めました。

ゲストパネラーのプロフィールはこちら

一般社団法人越前町観光連盟 駒恵理子氏
福井県越前町を中心に、地元の新鮮な海鮮を活かした親子向けの授業型体験プログラムを造成。コロナ禍でも売上は好調で、修学旅行先に選ばれる程の「楽しい×学べる」を実現した魅力的なコンテンツを実施。

津和野町商工観光課課長補佐 村田隆昭氏
島根県津和野氏を中心に、地域内にある豊かな自然を活かし、自転車を利用した体験ツアーを造成。コロナ禍における安全安心な旅の在り方を提案するだけでなく、地域内循環も意識したサスティナブルな魅力的コンテンツを実施。

日本エコツーリズムセンター 森 高一氏
日本エコツーリズム協会の設立、日本エコツーリズムセンターの設立に関わる。環境をテーマにしたコミュニケーションの現場で、企画やマーケティングに携わってきたサスティナブルツーリズムの実績を持つ。

コロナにより、重要性を増すサスティナビリティ

吉田
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の観光業ではどのような動きがあったのでしょうか。まずは森さんよりお願いいたします。

森さん
コロナ禍により大変な状況は今も続いてますが、大きな目で見れば大量生産大量消費などについて、一度立ち止まって考えるポイントとなったのではないでしょうか。コロナで幕開けとなった2020年代は、サステイナビリティが非常に重要になっていくだろうと思います。国連加盟193カ国が2030年までに達成するために、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に注目してほしいと思います。

さらに、コロナによって人々は、旅や生の体験を求める気持ちが強くなっています。人との語らいや一緒に物を食べることなど、それぞれが単なる消費活動ではなく、その地域にあるものをいかに魅力的に自分が欲する形で、マッチング出来るかといった所が、これからますますコンテンツ造成においては、ポイントになってきます。

こうした観点から、コロナ禍で魅力的なコンテンツ造成をした事例を紹介していきます。

越前町「お魚プロジェクト」にみる学びの要素も組み込んだ体験プログラム

1つ目の事例は、福井県越前町の「漁師町”越前”のお魚プロジェクト!」です。福井県越前町では、コロナ禍でのニーズが高まる親子をターゲットにした魅力的体験型コンテンツを造成しました。

駒さん
年々深刻化する魚離れや漁業の衰退化を打破するべく、「水産業を次世代につないでいく」をテーマにした体験プログラムの造成を展開しました。
マイクロツーリズムとして、親子で過ごす時間に彩りを添え、そこでしかできない体験を一緒にするという付加価値を加えることで、素敵な時間や思い出を作ることを目的としています。

食を体験しながら、SDGsについて学ぶことが出来るということで話題になり、コロナ禍でも募集人数の90%以上の集客を誇りました。そして、教育機関からも修学旅行の目的地として予約が殺到し、これからのサスティナブルな観光コンテンツになっています。

地元の事業者も無理なく継続できる事業にするための3つのポイント

二つ目の事例は、島根県津和野町の「Re・ディスカバリー津和野~サイクリング×人×地域でつくる、津和野再発見の旅~」です。

村田さん
島根県津和野町では、豊かな自然や史跡、日本遺産など地域の魅力を最大限に活かしたサイクリング体験を行っています。津和野町のこれまでの課題として、多くの事業が地元のボランティアによるサポートに支えられて行われることが多く、ボランティア疲れが起こっていることが挙げられます。

この状況を打破するために、今回、「参加する事業者に決して無理がなく持続可能であること」を実現したプランが実施されました。
その三つのポイントをご紹介させて頂きます。

①事業を有料化することにより参加される地元の皆さんの利益を確保し、無理のない継続的な取り組みであること
②ECOを意識しながらコロナ禍で安全安心を確保すること
③地域にある資源を活用すること

の3つです。ツアー造成に地元の人たちにも関わってもらい、自身の取り組みを評価してもらうことで、実に生き生きと取り組んでいただきました。自分から参加者の方に喜んでもらえるような工夫をする人まで現れてきました。

<パネルディスカッション>
地域で協力を得られるための工夫ポイント

Q.2つの事例に対して、森様コメントいただけますでしょうか?

森さん
観光産業の方だけにお金が落ちるんじゃなくて、ちゃんと地域に循環してくという発想っていうのは、まさにウィズコロナから生まれてきたのかなと感じました。宿泊、食、お土産、体験だけでなく、ありとあらゆるところでお金が回るということが重要だと思います。そうすると、観光事業者だけでなく、全ての地域の皆様がステークホルダーになり得るので、そういう方々に少しでもお金が流れるような仕組みはいろいろあるかなと思います。具体的に言うと、越前町は焼きものでも有名で、地域の器で地域のお魚食べることは、付加価値の高まる良い事例なのかなと思いました。

Q.地域の協力であったり、仰いでいくために工夫されたポイントなどありますか?

村田さん
一つは、地元のレストラン、農家の方、それからリタイア世代の方々、U・Iターンされた方々などいろんな方が関わって行く中で、ミントさんとともに懇切丁寧に皆さんに取り組みを説明できたことが挙げられます。
もう一つの自主的な取り組みとして、自転車を使ったフェスみたいなものを行いました。シビックプライドの醸成を大切にすることによって地域の理解も深まっていくと思います。

駒さん
越前町観光連盟は、越前町漁業や福井県漁連など、漁業者の方とは密接な関係にありまして、地域理解という点ではスムーズに得ることができました。また、体験、予約受付、広報など役割分担を行うことで事業を円滑に進めることができました。

森さん
二つとも地域一体でやっている感じがすごく伝わってきました。素晴らしいと思います。津和野は日本のふるさとを思わせる景色、越前町は漁師町の魚の美味しさなど、世界観が強みになっていると思います。さらに、単なるイメージじゃなく実際に自転車で走ったり、一緒に魚をさばいて食べるという体験はとても魅力的だと感じました。

→point!
➀シビックプライドを醸成していくこと
➁しっかりと役割分担を行うこと
③地域の世界観を作ること

世界のトレンドを押さえながら、持続的に地元に受け入れられる仕組みづくり

Q.事業の継続性のために何か工夫されていらっしゃるポイントはありますか?

駒さん
二つほどございます。まず一つ目は、完成した体験プログラムは、既に修学旅行などの教育旅行の受け入れを行っておりまして、今後も地域の事業者と連携しながら、継続していく予定となっております。そして二つ目に、今後は、個人のお客様も含めてコンスタントな実施ができるように、販売スキームを確立していったりすることで、実施の強化をしていきたいと考えております。

村田さん
今後アドベンチャーツーリズムという大枠の中で「YU-NA」というブランドを一つ立ち上げ、ホームページ等使って大きく発信していきたいというふうに思ってます。そして、サスティナブルからもう一つ先を見据えて、地域にある資源を有効に活用し、どんどん新しいコンテンツを作り上げていくことで、リジェネレーションを起こしたいというふうに考えています。最後に、事業を続けていくために、津和野町は地方創生の推進交付金を活用してこの3年間かけて、この事業を継続して発展させて、きちんとお金をとれる形まで持っていきたいというふうに考えています。

森さん
続いていかないと力になっていかないですし、同じことを続けていくことが持続性じゃないですよね。どんどん新しいことにチャレンジし、次なる世代とか新しい血が入ってくるのをリレーションしていくことが持続性において一番大事なんだと思います。こんな楽しみ方もあるんじゃないっていう、もしかしたらエラーもあるかもしれないけども、どんどんトライをしていただきたいなと思います。

→point!
今後の事業拡大に向けて、新しいことにチャレンジし、次世代にリレーションしていくこと

最後に

吉田
感染症対策やトレンドを掴んでいくというところは前提として、いかに未来に残っているコンテンツにしていけるかが重要なポイントです。この大事なポイントは世界的なトレンドであり、地域の持続性であります。それは、経済的、環境的、社会的な側面でしっかりと配慮された商品になっていくことが欠かせません。

世の中から問われている中で、コンテンツに織り込んでいくことをベースとしつつ、それをかしこまったものにするのではなく、魅力的でワクワクするコンテンツにしていく必要があります。

今後の展望として、新たな消費者、そしていろんな人を巻き込んでいきながら事業として継続していく仕組みや仕掛けを構築していく必要があるんだと、お三方の貴重なお話から発見できました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

(レポート:山田優見)

第3セッションに続きます

 

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