ニューノーマル時代の体験型コンテンツは【サステイナブル×○○】欧米客は付加価値を探している!

こんにちは!地域ブランディング研究所のフランス人スタッフ、ジュリです。
フランスと日本で観光に携わってきた経験と視点から、外国人の興味・関心や、インバウンド向け体験コンテンツ造成のポイントをお伝えしていきます。

最近は「サステイナブル(持続可能)」「SDGs」というキーワードをよくテレビや雑誌で見かけます。はたしてそのワードは、これからのニューノーマル時代では欧米観光客にとって、大事な言葉でしょうか?そしてどうすれば体験プラン制作に役立つでしょうか?ターゲットの動向に注目しながら、見ていきたいと思います。

客層ターゲットのトレンド①:ミレニアル世代(Y世代)

日米の主な世代の呼び方(年齢層は2020年時点)

最近の訪日客層トレンドは、ミレニアル(Millennial)世代[※1]の1981~1996年に生まれた人が中心となっています。

この世代は、2000年代の初頭に成年期を迎えた世代をいい、ジェネレーションY(Y世代)とも呼ばれています。インターネット普及前の時代に生まれた最後の世代で、幼少期から青年期にIT革命を経験したデジタルネイティブ過渡期に当たる世代=「デジタルパイオニア」と位置づけされています。デスクトップPCから解き放たれ、スマートフォンやタブレットに親和性を持つ世代です。

私の出身国のフランスでは、この時代の人はテレビで日本の文化を知った人が多いと言われています。アニメをきっかけにして、より深い日本の文化に興味を持った人も数多くいます。私の周りにも、お金を貯めて30歳以上になってから初来日をしている人がすでに沢山います。 人気のアニメ作品はドラゴンボール、セーラームーン、ポケモン、ナルトなどです。

※1:米ワシントンのシンク・タンク「Pew Research Center」が2014年に行った定義

客層ターゲットのトレンド②:Generation-Z(Z世代)

今、ミレニアル世代が占めていたポジションは新たな消費者グループに取って代わられようとしています。ニューノーマル時代に台頭してくると予測されているのはZ世代(Generation-Z)と言われる1997~2010年に生まれた世代です。

このZ世代の人たちはインターネットやSNSのある世界で生まれました。生まれた頃からIT技術や製品が普及した環境で育ったZ世代は、ミレニアル世代(Y世代)以上にデジタルに精通していると言えます。タブレットやスマートフォンといった最新のIT機器を自在に使いこなし、もはやスマートフォンなしでは生活が成り立たない世代です。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じ、友人との共感を重視したコミュニケーションが定着しており、モノよりも経験や体験、他人の共感や評価を重視する意識が強いのがこの世代の特徴です。

また、地球環境についても関心を寄せています。生まれた頃から地球温暖化の話をされているので、環境に対して大きく不安を感じている世代でもあります。「50年後の世界も私たちがまだ生きているから、責任がある」との思いがあるようです。

ニューノーマル時代の旅行トレンドとは

ここまでは、客層のトレンド、各世代ごとの特徴についてお伝えしてきました。

さて、ここからが本題です。初めに出てきたキーワード「サステイナブル(持続可能)」にも関わってきます。

Booking.comが、Z世代(16歳~24歳)に対して旅行に関する調査[※2]を実施しました。旅行中の希望や要望だけでなく、それが彼らの全体的な価値観や興味にどう繋がっているかについて分析しているデータです。

これによると、Z世代の37%が旅行中にボランティアをする可能性が最も高い世代であり、また、52%は環境への影響が少ないという意味であれば、人気のある目的地よりもあまり知られていない目的地に行きたいと言っています。  

また、 デロイト ミレニアル年次調査によると[※3]、Z世代の46%は、自分たちのコミュニティや社会全般へ良い影響をもたらしたいと考えているというデータがあります。

このような分析からも分かるように、求める客層にリーチするためには、SNSやマーケティングだけではなく、観光商品のベースから「エコフレンドリー」のフィルターをかけて考える必要があります

※2:世界各地29市場、計5,452名のZ世代(16歳~24歳)を対象、2019年8月

※3:世界42カ国を代表する13,416人のミレニアル世代と10カ国からの3,009人のZ世代、2019年

コンセプトは「ZERO WASTE」

これからの時代に、Z世代に届く体験型コンテンツを制作したいなら、私はこんな提案をします。

コンセプトは、「ZERO WASTE(ゼロ・ウェイスト)」です。
ゼロ・ウェイストとは、ごみをゼロにすることを目標に廃棄物を減らす環境社会政策のことで、ゴミ埋め立て地、焼却炉、または海に送らないことを目指しています。ゼロ・ウェイストには、リサイクルと再利用による廃棄物の排除以上のものが含まれます。持続可能な環境を守り、応援できる観光コンテンツを制作するときに参考になるでしょう。

江戸時代の「もったいない精神」に近い政策でもありますね。

体験コンテンツに必要な具体策①「No Plastic」

もう一つ大事なポイントは「使い捨てプラスチック」を避けることです。
現在、海洋プラスチックの問題を背景に、世界的に「Single-Use Plastic」の使用や製造を禁止する動きがあります。EUをはじめ[※4]ヨーロッパは特に厳しくなっているため、それを求めている観光客はどんどん増えると思われます。

日本でもプラごみの排出抑制やリサイクルを促進する新法案「プラスチック資源循環促進法案」の概要が2021年1月に判明しました。ストローをはじめとする使い捨てプラ製品を多量に提供する飲食店に削減を義務付けるなどし、政府が2022年度の施行を目指しています。

※4:「新循環経済行動計画(A new Circular Economy Action Plan For a cleaner and morecompetitive Europe)」を2020年3月11日に公表。

体験コンテンツに必要な具体策②食・グルメ=「ローカル×健康」

実は、料理やグルメ体験のコンテンツを制作するときにも、様々なサステイナブルなポイントが考えられます。

なるべく避けたほうがいい材料は、大量生産された材料です。特に人工フレーバー、食品添加物や防腐剤を使用したものは控えたほうがより環境志向です。

その代わりに「ローカル×健康」で考えると目的に近づきます。
現地に特徴のある野菜、フルーツ、調味料または伝統的な材料を選びましょう。いわゆる「地産地消」ですね。材料を作っている農家さんなどを選んだ理由があれば、お客さんに知らせることがとても大事です。原材料費が高くなる場合でも、可能な限り地元の製品または手作りの製品を選択するようにします。

そのこだわりは大きな付加価値になります。

食事で使用する容器には、注意が必要です。具体的には、なるべく洗ってもう一回使用できるものにこだわりましょう。地元の陶器などを使える場合は、お客さんに説明することもおすすめです。毎回新しい道具を使う場合は、紙・木材の道具を選ぶほうがいいです。

ストローやペットボトルは特に気を付ける必要があります。最近マイボトルを持ち歩いている欧米客が増え始めたのです。
その他の持続可能なものとしては、ヴェジタリアン・ビーガン対応することや料理に発生するウェイストの対応です。コンポストや生き物の餌にするなどは環境配慮としておすすめです。

体験コンテンツに必要な具体策③ものづくり体験=「ローカル×エコ」

ものづくり体験コンテンツの場合にも、サステイナブルなポイントがあります。

例えば、実際に作ってもらう商品の材料は100%日本生産の木、土、金属などを使用することだけではなく、可能ならばリユースまたはリサイクルできる材料で行うことも大事です。

そして商品の役割は、単なる飾り物としてだけではなく、これからは日常生活に必要で長く使える道具がおすすめです。例えば、最近のファッショントレンドはエコバッグ、エコストロー、料理道具、箸、食器、箱、などがあります。

体験コンテンツに必要な具体策④ラッピング

体験が終わった後にも「ZERO WASTE」や「No Plastic」のコンセプトを活かすことができます。お持ち帰りの包装はどのようにしていますか?ラッピングに注目しましょう。

せっかく手作りした伝統的な商品。でも、最終的にプラスチックでラッピングされると、残念だと思う人は多いそうです。自分で作ったものや買ったものは分かっているので、あえて透明なラッピングではなくてもOKです。和紙や安いクラフト封筒やラッピングペーパーで充分です。少し手を加えるなら、リサイクル布地や手ぬぐい、または古い着物などの生地は大変おすすめです。

そして荷物を郵送・配送する場合は、和紙や新聞で包むと良いでしょう。欧米客は特に新聞の日本語の文字が読めないので、「おしゃれ」だと思っている方は多いそうです。

まとめ

ニューノーマル時代に求められる客層のトレンドと観光コンテンツについて、具体的に見ていきました。

2025年にはミレニアル世代とY世代が世界の労働人口の75%を占めると言われており、近い将来に世界の消費活動の大部分もまた、ミレニアル世代とY世代、その後にはZ世代が占めるようになります。効果的なマーケティングを行い、ターゲットにリーチできるような体験プランを作っていくことが求められますね。

ここでご紹介したポイントは、もちろん施設によって対応できること、できないことがあると思います。最初から全て取り組むのは難しいかもしれませんが、意識を持って少しずつアクションすることが大事です。

これらのポイントのなかで、すでにやっているのはどれですか?これからやってみようと思うのはどれですか?その他にも何が提案があれば、是非コメントで教えてください!

 

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