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年々増加する訪日外国人。さて一体どこから入国してくるのでしょうか
観光庁が発表している訪日外国人消費動向調査に国×空港別のデータが掲載されていましたので分析してみました。
2015年-2017年の空港別推移
こちら上位6空港の2015-2017年における構成比を示したグラフです。

(出典:訪日外国人消費動向調査データより作成)
空港単独で見ると2016年以降、関西国際空港が筆頭に躍り出ていました。
また、那覇や新千歳といった地方空港の雄も地道に存在感を増しています。
20カ国別に傾向を見てみた
とはいえこの数値は全体を合算した数字。そこでどの国がどの空港を重点的に利用しているのか?空港(船の港含む)と主要20カ国という切り口で調べてみました。
①欧米豪な成田空港 vs アジアな関西国際空港
まず2強の関空と成田について利用率を調べてみました。
すると
- インドを除いたアジア諸国は関空
- 欧米豪は成田
とキレイに傾向が分かれました。

格安航空路線LCCが関西国際空港-アジア諸国間で多く就航していることがはっきりデータに反映されています。
②首都圏2空港(成田+羽田)も欧米豪利用率高い
念の為、空港単独ではなく首都圏2空港(成田+羽田)についての利用率を算出してみました。
やはり圧倒的に欧米豪が高いですが、シンガポール・インドネシアもアジアの中では高くなっています。

③福岡空港は東アジア率高い
次に利用率ランキング3位羽田空港(9.3%) と 4位福岡空港(8.7%)を比較。
福岡空港は近場の東アジア、特に韓国に強いです。
韓国と福岡はフェリーで結ばれていますが、空港でみても結びつきが強いことが分かります。

同程度の利用率でも内訳が全く違いますね。
④北の新千歳と南の沖縄
ちょうど北端と南端になった利用率ランキング5位那覇空港(8.5%) と 6位新千歳空港(6.5%)を比較。
那覇空港は東アジア諸国と距離が近い特性が傾向にもはっきり出ています。
ただ、タイ・マレーシアに関しては雪を目的としているため、新千歳空港が圧倒的に選ばれる結果に。

また、近年ビザの発給緩和により急速に伸びている訪日ロシア人観光客。約14%の方が地理的に近い新千歳空港を利用しています。
⑤ドイツが意外と多い中部国際空港 vs やはり韓国な博多港
最後に利用率ランキング7位中部国際空港(3.9%) と 8位博多港(1.0%)。博多港は船便です。
博多港の利用率TOPは韓国。フェリーの定期航路が就航しているためです。
一方中部国際空港を見ると、欧米豪グループの中ではドイツが突出し、カナダ・アメリカが続いていました。

なぜ欧米豪の中でもこの3カ国が目立っているのか?そのヒントは中部国際空港のHPにありました。
もうお分かりの方もいらっしゃるかと思いますが、共通点は自動車産業です。
- フランクフルト・・・ドイツの自動車産業集積地。
- デトロイト・・・アメリカの自動車産業集積地。カナダと国境近い。
- 中部地方・・・トヨタ自動車を頂点とした自動車経済圏
元々ビジネス出張需要が高く、交通インフラが整っていたことが観光にも波及したと考えられます。
まとめ
2017年の空港利用率について、個別の空港・国別に掘り下げて分析してみました。
すべて合算すると利用率TOPは関西国際空港ですが、ターゲットとする国によって利用空港の傾向は全く異なります。
集客導線を考える上で本記事がお役に立てれば幸いです。
今日の一句
”国ごとに 入国経路は バラバラよ”
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