目次
上海⇔福岡間は、東京⇔福岡間とほぼ同じ距離である。
日本に訪れる外国人観光客の交通手段はほとんどが航空機。そんなイメージがあるかと思いますが、九州福岡県においては少し事情が異なります。
韓国から近いというのはもちろんですが、実は中国上海からも遠くない距離のため、中国人観光客にとってはクルーズ船が主要な交通手段になっています。
地図を見てみると、東京福岡間とほぼおなじ距離感であることが分かると思います。
クルーズ船はお得感がある
また、クルーズは下記特長があります。
- 途中韓国を経由して観光できる
- 移動中も家族でゆっくり過ごすことができる
- カジノOK
- 低価格化が進み4泊5日で7万円前後~
航空機と比較してお得感があるのです。
クルーズ船はビザが不要
クルーズ船の大きな特徴はビザが不要ということ。
一度に数千人単位の人々が入港するため、法務省入国管理局が2015年1月に「船舶観光上陸許可」制度を定め、手続きを簡略化したからです。
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法務大臣が指定するクルーズ船の外国人乗客を対象として、簡易な手続で上陸を認める「船舶観光上陸許可」制度を設けます。
また、航空機で入国し「短期滞在」の在留資格を与えられた外国人が、我が国から他国に渡って我が国に戻る航路のクルーズ船に乗り、一定期間内に当該クルーズ船で再入国する場合(いわゆるフライ・アンド・クルーズの場合)には、原則として再入国許可を要しないものとします。(出典:法務省入国管理局HP)
博多港クルーズ客船寄港状況を統計・グラフ化してみた。
では我が国最大のクルーズ船寄港地、福岡博多港において、どれほどのクルーズ船が押し寄せているのか?
博多港HPに記載されているクルーズ客船入港実績&予定表を元に、統計データ&グラフ化してみました。
(出典:以下グラフはすべて博多港HP掲載表より当社作成)
※2016年数値は、2016年11月時点の予定を含む暫定数

(出典:博多港HP)
クルーズ船寄稿数は3年間で3倍に
クルーズ船寄港数を年別推移でまとめたものが下記グラフ。

前述した法務省入国管理局の手続き緩和が効き、特に2014年⇒2015年にかけて大きく伸びている事がわかります。
2016年も堅調に増加しており、2014年と比較して2.9倍にも拡大しています。
クルーズ船の定員数推移をグラフ化してみた
博多港HPに掲載されているデータには、寄港したクルーズ船の定員数も記載されていたため、年度別の累計定員数をグラフ化してみました。

2016年単年で96万人もの輸送力が博多港に訪れたということになります。
これは和歌山県の人口とほぼ同じ規模です。
(2015年10月1日国勢調査 和歌山県 963,579人)
毎回クルーズ船が満席というわけではないとおもいますが、それにしてもすごい規模感です。
クルーズ船の平均定員数をグラフ化してみた。
さらに掘り下げて、グルーズ客船1隻あたりの平均定員数を算出してみました。

興味深いことに、法務省入国管理局の手続き緩和前である2014年から一気に大型化しています。
2016年は3,000人に迫る勢いです。
定員3,000人級の船のイメージ
定員3000人クラスの船とはどれくらいの大きさなのか??
先日上海出張時に入手したクルーズ船のパンフレットが手元にありましたのでご紹介しておきます。

▲もはや動くホテル
クルーズ船の繁忙期は6~10月
クルーズ船には季節変動はあるのか?
2年間のクルーズ船月別寄港数をグラフ化してみたところ、6-10月頃が比較的多いことが分かりました。

中国人観光客といえば春節の1月-2月頃に多く訪れるというイメージがありますが、クルーズ船については逆に閑散期です。
クルーズ船は博多港でどれほど停泊しているのか?
最後に着岸日・離岸日のデータからクルーズ船がどれだけ博多港に停泊しているのか算出してみました。
下記の通りほとんどが日帰りコースです。

さらに日帰りクルーズ船はどれほどの時間停泊しているのか?
着岸・離岸時刻から平均値を算出したところ、近年では10時間前後でした。

10時間のうちに数千人もの観光客が入国手続・観光・帰船することを考えると、ものすごい慌ただしいオペレーションなのだろうなと想像できます。
まとめ
クルーズ船に関するニュースは日々飛び交っておりますが、実際にデータに落とし込んで見てみると、そのインパクトの大きさをよりリアルに感じることができました。
次回は、実際に博多港に降り立ったクルーズ船観光客をガチンコで追跡してみたいと思います。
今日の一句
”和歌山を 飲み込む港 博多港”
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