【インバウンド】なぜコト消費はどこもかしこも茶道や和装体験ばかりなのか?

観光消費金額増のカギを握るコト消費

2017年の訪日観光客数は2,869万人。このペースですと2020年4000万人達成も現実ラインになってきました。

ただ、2017年の実績で心配なのは、一人当たりの消費金額が

  • 17万6167円(2015年)
  • 15万5896円(2016年)
  • 15万3912円(2017年)
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(出典:訪日外国人消費動向調査 2017年間プレスリリース版

と下がり続けてしまっていること。

2020年の目標訪日観光客消費金額が8兆円ということを考えると訪日外国人4,000万人として、1人あたり20万円の消費をしてもらうことが求められる。

そのカギを握っているのが「コト消費」。より確実な消費金額アップを実現するために必要な展望を、観光庁の施策とともに整理してみました。

 

日本は着地型観光コンテンツが少ない

コト消費アップ実現にむけて期待されるのが、名前を変え新項目も増えた『「楽しい国日本」の実現に向けた観光資源の開拓・魅力向上』の予算です。

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▲先進国と比較しても低い日本の娯楽サービス消費

(出典:観光庁資料-「楽しい国 日本」実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議 )

 

予算額だけで見ても23%増と他の予算より手厚く配分されています。

世界各国を回っていて感じるのが、世界の観光地に比べても日本は圧倒的に着地型コンテンツが少なすぎること。世界の人気観光地はどこもその都市・地域らしい体験がプログラム化されていますが、まだまだ日本は遅れています。

 

稼げるコト消費を作るための2つの課題

弊社も広島県・東京都・せとうちDMOはじめ全国各地で体験プログラムの開発・ブラシュアップをサポートさせて頂いています、コト消費の現場で実感するのは下記2つの課題です。

①マーケティングの不在

全国どこもかしこも茶道や、和装体験等をプログラム化しがちな傾向があります。訪日観光客はそのご当地らしい体験を強く求めているのに対し、一方的に画一的なプログラムを提供してしまうのはとてもモッタイナイことです。

 

また、訪日観光客の国別対策も追い付いていません。例えば

  • 欧米豪は歴史・文化・自然体験を求めている
  • アジア圏は食体験の需要が強い
  • すべての国においてSNS映えする等の仕掛け

と国によって必要な対策が大きく違います。

誰に向けてどんな価値で何を提供するか?ご当地らしさも加えて、売れるものを考慮し地道にブラシュアップしていく余地がまだまだ多分にあります。

 

② デフレマインドからの脱却

過去の国内の修学旅行マーケットや安近短マインドから脱却できず、こんなものでお金をもらうのは申し訳ないと考えていませんか?

一生に1度しか来ない方やリピーターでもホンモノ思考の訪日観光客はその地域でしかできない体験にはしっかりとお金を使ってくれます。

海外観光地では動物園でも4,000~5,000円が相場ですし、スペシャルなものは数万円で当たり前に提供されています。

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▲例えばタイの動物ショー日本円で1.5~2万円と高単価

受入側が国内外の人気プログラムの実態をきちんと現場感覚で理解し、視座を上げてブラッシュアップすることができれば、グローバル水準でお金を払ってでも体験したいコンテンツを作り上げることができます。

18年度は最先端ICT関連にも予算がついていますが、技術面しかり、現場のご当地らしいホンモノの感動体験やSNS映えをする仕掛けに対しての配分が加速していけば、より魅力的なプログラムがあふれていくことになるでしょう。

 

国の施策に対する地域側の理解連携がカギ

インバウンド向け予算としては『訪日プロモーションの抜本改革』の項目も15%増となっており注目。

端的に申し上げると、訪日外国人の8割以上がアジアである現状に対し、滞在期間が長く、消費金額も多い欧米豪の富裕層を取り込むためのプローモーションです。

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(出典:平成30年度観光庁関係予算概算要求概要

 

こういった政府・国側のプロモーション政策とともに重要なのが地域の受け皿づくりや連携。

しかし現状は、地域側に国のマーケティング・プロモーション指針に対応できる体制・人材が追い付いていなケースが多々あります。

また、観光庁側が積極的に展開しても、運輸局・都道府県・市町村のプロモーション戦略がバラバラになってしまっている事例もあります。これは大きな機会損失です。

 

併せてマーケティングや体制づくりの前に地方創生予算の消化のために思いつきでプロモーションを展開している地域が増えていることは、とても残念です。

どの国に対してどんな戦略をもって地域プロモーションをしようとしているか、地方行政がきちんと理解し、そことリンクした展開や受入環境整備を展開すれば、さらに効果が増していくことは間違いないでしょう。

 

DMOの裁量と存在感が高まる

これらの課題をトータルで解決していくにあたり、DMO(行政や地域事業者と連携して観光地域づくりを行う舵取り役)の存在感が高まっています。

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(出典:観光庁 日本版DMOとは?

 

18年度は『広域観光周遊ルート形成促進事業』がこれまでの行政対象から、DMOを中心とした組織で展開されることになっているからです。

DMOが自主的に戦略を考えて展開できるような予算ができたことは非常に価値があります。

先述のマーケティングやプロモーション・受入環境整備を観光庁とも連携を取りながら、DMOがうまくコーディネートできるようになっていけばより大きな成果が期待できるでしょう。

 

まとめ

全般的に観光庁の施策は、観光立国に向けてより的確な予算配分に進化し続けています。

これからDMOを中心とした組織が推進役となり、地域の潜在的ポテンシャルをきちんと理解し、その地域らしいプレミアムなコンテンツを磨き上げていければ、

  • 2020年 8兆円
  • 2030年15兆円

の消費金額達成も夢物語ではありません。

2019年ラグビーワールドカップ・2020年東京オリンピックを超えて、さらに観光産業が日本の基幹産業になることを願います!

 

 

今日の一句

”受け身じゃない 地域の動きが 金落とす”

弊社も瀬戸内DMOに参画しコト消費の開発を行っております。

出典:広島ニュースTSS

 

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