【体験レポ】サイクリングツアーがインバウンド コト消費の触媒である理由。

弊社地域ブランディング研究所では訪日外国人向けの体験コト消費予約サイト、「Attractive Japan」を運営しています。

数ある体験施設の中でも最近人気上昇中なのが 広島のsokoiko!ピースサイクリングツアー

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どんなところが訪日外国人にウケているのか?その魅力と可能性を探るべく実際に体験して参りました!

 

代表の石飛さんは元アパレル業界の店長

ピースサイクリングツアーを運営されているのは前職アパレル企業で店長をされていた石飛聡司さん。

頻繁に海外に行ってたわけではないし観光業とは全く無縁の世界にいました。

転機となったのが30才を過ぎた頃。今までの経験を活かして地元に貢献するアイディアを試しに広島市主催のビジネスコンテストに出したら大賞を受賞。

評価されたことに強く背中を押されてサイクリングツアーの事業を開始されたそうです。

 

接客業で培われた圧倒的おもてなし力

前職接客業というご経験を持つ石飛さんが企画するサイクリングツアーには参加者の満足度を上げる工夫が随所に散りばめられています。

 

iPadを使って分かりやすく説明

土地勘のない訪日外国人のためにiPadで広島市の全体図とこれからまわるコースを説明します。加えて

  • 原爆ドームで消失した範囲を示す地図
  • 戦前の広島の街並み写真
  • 被ばくした建物の写真

を各ポイントのガイド時にタイミング良く見せることで、参加者の理解を助けています。

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何かあったらベルでコミュニケーション

サイクリングツアーは大人数が縦に並ぶ巨大グループになる場合もあります。さらに言葉の壁もあるため気軽に止まりずらい。

そこで冒頭のオリエンテーションでは走行中写真を撮りたくなったり、お店に立ち寄りたくなったり、何か止まってほしいことがあった場合に自転車のベルを鳴らしてもらうよう案内しています。

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グリップとベルが連動していることもあってか、ベルが非常に鳴らしやすいです。

これならローカルを味わいたい訪日外国人のお客様のニーズを即座につかめますね。

 

進路変更を手看板で分かりやすく

都市部を走るサイクリングツアーでは頻繁に右折や左折を繰り返します。また、前述したように大人数になると声が届きません。

そこで石飛さんは進行方向が分かりやすいよう手看板を作り、曲がるちょっと前のタイミングで参加者に知らせます。

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通行人からの注目されて話しかけられることもあり、ローカルと交流したい訪日外国人を楽しませるツールとしても活躍します。

 

一般公開ツールを効果的に使う

インターネット上には一般に公開されている有用なコンテンツがあります。石飛さんはタイミングよく手持ちのスマートフォンやiPadで見せることで、臨場感を演出していました。

VRで原爆ドーム内部に入れるコンテンツを見せる石飛さん

 

電動自転車で長距離走行もラク

ピースサイクリングツアーは20kmの距離を3時間かけて走行します。なかなかの距離なのですが、”広島観光レンタサイクルぴーすくる”と連携し電動自転車のシェアサイクルを使うためとても楽。

ちょっとした坂道・段差・橋(←広島は橋が多い)も難なく乗り越えられます。

また意外に海外では電動自転車がないため、訪日外国人にとっても珍しく、かつラクなのでとても好評です。

 

英語ができないをどのようにして乗り越えたのか?

実は石飛さんご自身は英語が堪能というわけではありません。

どのように運営しているかというと、留学経験がある学生をスタッフとして迎え入れています。

 

英語は日常使っていないと忘れてしまいます。なので日本に帰っても英語を使って仕事をしたいと考える学生は一定数おり、外国人相手のガイド業は見事にマッチしていたのです。

 

どんなお客様が多いのか?

広島県は他県と比較してアメリカ人を筆頭に欧米系が多いエリアです。

ただエリア別にみるとアジア圏が最多数派。

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(出典:平成29〔2017〕年 広島県観光客数の動向 より作成)

 

サイクリングツアーに来られるお客様は圧倒的に欧米豪。アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアが中心。

体験コト消費は欧米豪と相性がよいと言われますが、サイクリングツアーはその典型例でした。

ちなみにこれが食べたい、見たいという明確な目的を持っている人は少なく、ガイドさんのおススメを求めているそうです。

 

予約されるタイミング・繁忙期

2~3週間前が多く、早い人だと8カ月前。旅前予約が主なようです。

石飛さんいわく、前日予約や当日の受け入れも可能とのこと。

 

ホテルで翌日以降のアクテビティを探す外国人の方も一定数いるため、のびしろがあると感じました。

 

また、繁忙期は気温が過ごしやすい春と秋。とはいえ寒い冬でも予約が一定数入ります。

 

欧米豪のお客様は何に興味を持ち喜ぶのか?

主要顧客である欧米豪のお客様はツアー中どんなポイントに関心を持つのか?石飛さんに聞いてみました。

 

城中を自転車で走行できる

戦国武将毛利輝元が建てた広島城は、敷地内を自転車で走行することができます。姫路城・名古屋城・犬山城などわが国には著名な城が全国各地にありますが、自転車で走行できるのは意外と少数。

また、ツアー最中にサムライの話を盛り込むことで、自分がサムライになって出勤している気分を味わえます。

 

オブジェ・銅像

欧米豪のお客様はオブジェや銅像について強い興味を示します。私たち日本人だとスルーしてしまうような隅っこの銅像にも関心を示し、あれは何?どんな意味がるの?と頻繁に聞かれるそうです。

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おみくじ

おみくじの文化は欧米豪にはないのですがfortune(運だめし)と伝えると興味を持ちます。大吉だったり凶だったり。同行者同士で盛り上がるそうです。

 

慰霊碑前の水のボトル

慰霊碑や史跡の前にはよく水がおいてあります。これは原爆が落ちたあと、水を求める人が多かったからお供えしているのですが、海外の人からみると不思議な光景として映るようです。

 

アニメショップ・ローカルなおもちゃ屋

日本のアニメ・漫画が好きな方はやはり多く、ワンピースグッズなどを扱うジャンプショップは喜ばれます。

またローカルな商店街も走行ルートに含まれているのですが、そこのおもちゃ屋には普通では売ってないようなマニアックな商品が置いてあり、コアなファンを歓喜させます。

ドラゴンボール好きの外国人がスカウターのおもちゃを見つけたときは大興奮だったそうです。

 

ローカルな飲食店

希望者にはランチのアテンドもされているのですが、マニアックだったりユニークなお店は外国人にとってとても敷居が高い。

他言語対応されていない場合がほとんどだし店舗外観だけでは何のお店か分からないことも。そこをガイド役である石飛さんが先導することでスムーズにローカルフードを楽しめます。

飲食におけるガイドはとても心強い存在です。

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ガイドで気をつけていること

最後に石飛さんにガイド業で気を付けていることをお伺いしました。

①翻訳アプリは使わない。

最近はスマホの翻訳アプリを使い、画面で回答するといった対応をする方もいるそう。

しかしそんな対応をしてしまうとお客様の対応も冷めてしまいますよね。

極力自分の口で伝えるよう心がけています。

 

②質問には時間がかかっても必ず回答する

様々なお客さんが来られるので、関心を持つポイントも千差万別。ノーマークだった銅像や掲示物について質問を受けることも珍しくありません。

しかしどんな難しい質問も「分からない」とは絶対に答えず、時間がかかってでも後で調べて回答するようにしています。

 

結果的にガイドとしての引き出しも増え、メンバーと共有することでクオリティの底上げも実現できます。

 

③体を使って説明する。

「ガイドはアクターであれ」と石飛さんはいいます。ある内容を説明する際、口頭で淡々と述べるよりも、体全体・擬音語などを交えて伝えたほうが相手に伝わるからです。

ガラスがコンクリートを傷つけるほど強い爆風がバーン吹いたことを体全体で伝える石飛さん

 

④悲しいで終わらせるんじゃなく、前向きな形で

観光客のほとんどが見学する原爆資料館。そしてそこから出てくる観光客の表情はみな暗い。

せっかく広島に来てくれたのに悲しい気持ちで終えてしまうのはどうなのか?

そこに問題意識を持っていた石飛さんは、ただ原爆の辛い惨状を伝えるだけじゃなく、そこから広島が復活してきた過程をツアー工程に組みました。

例えば

  • 原爆が落ちた当日からインフラが復旧した話
  • 3日後に路面電車が再び走り始めた話
  • 預金通帳を失った人に、銀行が信用だけで預金を引き出し渡した話

被ばくして損傷しても復活し、現在も走行する路面電車を発見しガイドする石飛さん

 

従来の平和教育にもうひと工夫加えることで、お客さんが前向きな気持ちでツアーを終えられるようになりました。

 

広島市出身者が体験してみての感想

私は広島市中区出身で、今回まわったツアー工程も正直見覚えがある光景。

しかしガイドさんが介在することによって新しい発見・知識が得られ、景色のとらえ方・見え方が変わりました。

 

短時間で、効率よく、臨場感を得ながら深い知識を得られるのが、サイクリングガイドの魅力。県外出身者の友人や親類が広島に来た際、ぜひ体験してほしいアクテビティだと思いました。

 

まとめ

集合場所の広島駅を起点に約20kmを走行したのですが、サイクリングツアーは体験コト消費を促進する触媒だなと感じました。

というのもローカル体験ができる場所ってたいていアクセスが悪いゆえに露出が少なく認知されていないことがほとんど。

しかし機動力のあるサイクリングツアーが媒介することにより、認知度UPや集客力の強化が期待できます。

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実際石飛さんの元には周辺自治体からも相談が来ているそうです。

 

地方でインバンドコト消費を促進したい地域の方は、サイクリングツアーの可能性に要注目です。

 

今日の一句

”コト消費 サイクルガイドで 加速する”

 

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