日本在住アメリカ人スタッフだからこそ伝えられる、アメリカの状況と今後の動向

皆さん、こんにちは!地域ブランディング研究所のアメリカ人スタッフ、レイシーです。

ワクチン接種が進んでいるとはいえ、世界でも新型コロナウイルスの影響はまだまだ続いていきそうですね。

一時期は世界でもっとも感染者数も多く厳しい状況が続いたアメリカですが、現在ではワクチン接種によって状況は随分と回復しました。今回のパンデミックの経験から旅のスタイルも新しいものが求められています。

そこで今回は、コロナによって変化したアメリカの状況や今後の観光業の動向などをご紹介したいと思います。

ピークを越したアメリカの感染者数

世界でもっとも感染者数の多いアメリカでは、新型コロナウイルス感染者の累計は3,370万人を超え、今年はじめ最も多い時には1日当たりの新規感染が30万人を超えていましたが、直近では1万人前後で推移しています。この背景には、ワクチン接種率の増加が影響しています。

7月7日時点で、アメリカでコロナワクチンの接種を2回終えた人は1億5791万人、また1回終えた人は2499万人に達しました。これらを合わせるとアメリカ人口の半数以上である約54.5%に相当します。(※1)下のグラフでは濃い緑が2回接種完了、薄い緑が1回のみ接種完了の割合を表したものです。

(参考:※1)Our World in Data.2021年7月7日

しかし最初から順調にワクチン接種率が伸びていたわけではありません。現在の数値を実現するまでには各自治体の様々な努力が背景にあったのです。

意外に多い反マスク・反ワクチン主義

アメリカにはAnti-Mask(マスクに反対している人)とAnti-Vax(ワクチンに反対している人)がいます。彼らはマスクの着用やワクチン接種を拒否するグループに属する人々です。

反マスクとは

Anti-Maskの人にはさまざまな理由の主張があります。例えば、マスクではコロナを防げないと思っている、マスク着用が苦手、自由を侵害する、陰謀論を信じているなどです。コロナ以前には、アメリカはインフルエンザでもマスク着用の文化がありませんでした。マスクをしている人はお医者さん、清掃員と、マスクをしなければ病気になるリスクのある人に限られていました。

反ワクチンとは

一方、Anti-Vaxは、コロナ以前にもいました。一般的なワクチンを受けたくない人です。その理由は、ワクチンが自閉症の原因の一つとされている薬害がある、政府の抑制、ワクチン接種を受けると死亡すると信じていることなどがあります。Anti-Vaxの人はこのようなコロナワクチンのデマをSNSで発信しています。その情報を一般的の人が読むことで、ワクチンを打つのが怖くなり接種を控えようとするなどの影響を与えています。

米CBSテレビの世論調査(4月21~24日)によると、22%がワクチンの接種を望まないなど消極的な回答をしていたそうです。

ドーナツや宝くじで、ワクチン接種を推奨。今や半数以上が接種

ワクチン接種ペースが伸び悩んでいたアメリカでは、この5月にオハイオ州でワクチン接種率の向上ため、ワクチン宝くじを導入しました。オハイオ州在住でワクチン接種が終わった人は100万ドル(約1億900万円)の宝くじに参加できるのです。この宝くじ方式は18歳以上が対象で、17歳以下の当選者には州立大での4年分の学費に相当する奨学金が提供されます。他の自治体も市民を接種会場に誘う効果に期待し、同じような宝くじを作りました。

また、民間企業でもワクチン接種を応援する動きがみられています。例えば、日本でも有名なドーナツ会社Krispy Kremeでは、今年3月にワクチン接種後無料でドーナツを提供するプログラムを開始しました。ワクチン接種を少なくとも1回受けた人が証明書を提示すれば、年末まで毎日1個のドーナツを進呈するというものです。

このような各自治体の努力の結果、アメリカでワクチンを接種した人の数は徐々に増えていったのです。

日本とアメリカのコロナウイルスに対する温度差

一方、日本ではアメリカのようなパンデミックが起きていないからか、新型コロナウイルスに対する危機意識に温度差があるように感じています。

私のように日本に住んでいる外国人は、日本だけでなく母国メディアが報じる情報や実際に現地に住む家族や友人からも情報が入ってきます。その分コロナウイルスが引き起こす悲惨な状況をよく理解しているので、日本人よりも深刻に捉え、周囲にも十分配慮して日々生活をしています。

インバウンドが見込めない今、観光業界でターゲットを在日外国人にしようという話を耳にすることがあります。しかしコロナウイルス感染症をより深刻に捉えている私たち在日外国人にしてみると、このコロナ禍にあえて知らない地域を訪れることは、容易なことではありません。旅行先がどんな安全対策が取られているかわかりませんし、万が一、具合が悪くなった場合のことも心配です。もしかしたら、外国人ということで差別を受ける可能性もあります。

アメリカの規制解除と旅行需要について

とはいえ、旅行に行きたくない訳ではありません。

6月23日から25日に収集されたアメリカの旅行市場調査によると(※2)アメリカ人の約77%以上が今後3か月以内にレジャー旅行を計画しており、その約90%の旅行者は少なくとも1泊する旅行を期待していると報告しています。

規制緩和に伴い旅行需要も増えていますが、コロナウイルス変異株への懸念から「安全性」を考慮する傾向にあり、何らかの感染予防対策が取られている旅先を求めていることがわかりました。パンデミックを経験したからこそ、これからの旅行においても一定の安心安全が担保されていることが旅先を選ぶ大事な要素の1つとなっているのです。(参考:※2)Destination Analysts(6月28日の週)

まとめ

アメリカの生活は徐々に「普通」に戻りつつあり、多くのアメリカ人が旅行に行きたいと思っています。実際、アメリカからの渡航が認められている国の一覧が載った記事Find out which countries are welcoming US tourists backが話題となっており、今すぐにでも行ける海外旅行先を探しています。私自身もその記事を毎日のように眺めては、どこに旅行しようかと想像してワクワクしています。

日本もワクチン接種が進み、海外からの入国規制が緩和されれば、日本を訪れるアメリカ人も間違いなく戻ってきます。その日が来るまで、新しい旅のスタイルに適応した旅行商品や安心安全の受け入れ体制を整備しておくことが今の私たちにできることです。

この厳しい状況もきっともう少しの辛抱です、一緒にがんばりましょう!

最後にアメリカに住む私の身近な人のメッセージをご紹介します。

私の父: ”I have been fully vaccinated, but I am still going to wear my mask to protect other people that can’t get the vaccine or that are stupid.” 

「私は完全に予防接種を受けましたが、予防接種を受けられない人や愚かな人(ワクチン接種に反対の人)を守るために、マスクを着用するつもりです」

私の友人(24歳):”I can’t wait for this corona mess to be over. I just want to travel again.”

「このコロナ騒動が終息するのが待ち遠しいです。ただ、また旅行したいです」

 

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ABOUTこの記事をかいた人

米国ケンタッキー州出身。ノーザンケンタッキー大学政治学部国際教養学科在学中、岐阜大学日本語学部に1年、南山大学に半年留学。大学卒業後、米国の教育系ソフト企業にてコンサルティングを担ったのち来日。英語教師をしながら各地を巡り、自身のブログで情報発信。地域ブランディング研究所に入社後は、外国人目線(特にアメリカ人)のアドバイスを行っている。またFacebook、インスタ、YoutubeなどのSNSで、海外の旅行会社や訪日旅行者向けに日本の情報を発信。世界の人々に日本の魅力を伝えるべく精力的に活動する。プライベートではサルサダンスが大好きなマジメで明るいケンタッキー娘。